あせとせっけん

山田金鉄 / 著

女性に絶大な人気を誇る化粧品&バス用品メーカー・リリアドロップに勤めるOL・八重島麻子(やえしまあさこ)は、重度の汗っかきなのがコンプレックス。デオドラント製品が手放せない生活の中、ある日、商品開発部の名取香太郎(なとりこうたろう)に、「君の体臭は素晴らしい! 新商品の石鹸開発のため、これから毎日、君のにおいを嗅ぎに来ます!」と言われてしまう。でも、においを嗅がれるのは、そんなに嫌でもなくて…。

3行でわかるあせとせっけん

  • 汗っかきで汗対策に生活が支配されている麻子は、化粧品&バス用品メーカーに勤めている。

  • ある日、鼻がきく商品開発部の名取に、「君の体臭は素晴らしい!」といわれ、商品開発に協力することに

  • ちょっと変わったにおいフェチの恋愛ですが、とてもピュアな二人!

作品概要

あせとせっけん』は、山田金鉄(やまだきんてつ)先生による作品です。

『Dモーニング』にて2018年29号より連載開始。その後2019年44号より『モーニング』に移籍し連載中です。

みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞2019第2位に選ばれるなど注目を集め、2020年11月の9巻発売時点で電子含め累計200万部を突破しています。

あらすじ

化粧品&バス用品メーカー、リリアドロップの経理部に所属する八重島麻子(やえしまあさこ)は汗っかきがコンプレックスの26歳控え目OL。

あせとせっけん

ある日、商品開発部のヒットメーカーであり女慣れしてそうと噂のイケメン名取香太郎(なとりこうたろう)に偶然出会います。

麻子の体臭に新商品のインスピレーションを感じた名取は「毎日君の匂いを嗅ぎに来ます!」と衝撃の発言を繰り出します。

あせとせっけん

仕事の為という名目ではあるものの、名取に毎日匂いを嗅がれるという想像もしなかった生活が始まった麻子。変なきっかけから始まった2人の関係が次第に純愛へと香りを変える、匂いフェチ系純愛ストーリーです。

登場人物紹介

八重島麻子(やえしまあさこ)

あせとせっけん

リリアドロップ経理部所属の26歳で、控え目な性格。汗っかきであることに強いコンプレックスを持っている。リリアドロップのせっけんが大好きで愛用している。

名取香太郎(なとりこうたろう)

あせとせっけん

リリアドロップ商品開発部所属。嗅覚と香りの知識がズバ抜けている。せっけん作りへの情熱は誰よりも熱く、何よりも麻子さんの匂いが大好き。

一瀬こりす(いちせこりす)

あせとせっけん

商品開発部所属の名取の後輩。名取に密かに恋心を抱いているが名取との関係が壊れるの怖くて想いを伝えられずにいる。

涼村 悠二(すずむらゆうじ)

あせとせっけん

リリアドロップ商品開発部所属で名取の隣席の同僚。冷静沈着なメガネ男子。名取の良き理解者。

松苗 沙織(まつなえさおり)

あせとせっけん

リリアドロップ商品開発部所属、名取の同僚の懐深めのお姉さん。こりすに絶大な信頼を寄せられている。

大倉仁(おおくらじん)

あせとせっけん


リリアドロップ経理部部長であり、麻子の上司。麻子の良き理解者であり、作中では名言を多く残している。

椿嶺花(つばきれいか)

あせとせっけん

リリアドロップ商品開発部コスメ部門のチーフでカリスマ的存在。ルールに厳しくストイックな性格。女子社員の憧れの的。

八重島桂太(やえしまけいた)

あせとせっけん

麻子の2歳下の弟で料理人。トラットリア・クラタというイタリアンのお店で働いている。麻子を想う気持ちが非常に強く、恋人である名取にはかなり手厳しめに接している。

八重島勝臣(やえしまかつおみ)

あせとせっけん

麻子の父。いつも大事なことは最後に知る役回りであることに少なからず心を痛めている。麻雀大好き。

八重島ゆり子(やえしまゆりこ)

あせとせっけん

麻子の母であり、家族の精神的支柱。料理上手。

名取真太郎(なとりしんたろう)

あせとせっけん

名取香太郎の父で茶園を営んでいる。寡黙な性格だが家族への愛はとても強い

名取奏(なとりかなで)

あせとせっけん

名取の母。名取を産んでしばらくして病気で視力を失ってしまう。家族を優しく包み込む包容力にあふれている。

作品の魅力

匂いフェチによるマニアックなお話かと思いきやあまりにも純愛

1巻の表紙や、異性の匂いを嗅ぎまくるという設定から、かなりマニアックなお話なのかという当初の想像を良い意味で裏切ってくれる。名取と麻子の純愛が作中では丁寧に描かれている。

あせとせっけん
あせとせっけん

愛を育む2人の微笑ましい姿に愛おしさが募ります。

麻子さんが可愛すぎる

作中の至る所に麻子さんの可愛すぎる表情が描かれ、読者にはたまらない魅力となっています。

あせとせっけん
あせとせっけん
あせとせっけん

麻子さん、よく赤面しています。カワイイ。

会社の同僚、上司の暖かさ

部署は違えど同じ会社で働く2人。やはり会社での振る舞いや将来のことなど、様々な難問が待ち構えます。そこで2人を幾度となく助けてくれるのが作中に登場する素敵過ぎる上司や同僚達です。会社って良いよね、と思わせてくれる脇を固めるキャラクター陣への愛も深まる作品です。

あせとせっけん
あせとせっけん

作中で登場したせっけんエピソード

世界に一つだけのせっけん

あせとせっけん

名取が麻子への1周年プレゼントとして作った世界に一つだけのせっけん。

2人を繋ぐせっけんの香り

お祭りの最中はぐれてしまった2人を繋ぐせっけんの香り。異常に鼻の利く名取だからこそできる技です。

あせとせっけん

せっけんで作ったサシェ

麻子の趣味の一つが名取プロデュースのせっけんで作ったサシェです。ほのぼのするエピソードに心が温まります。

あせとせっけん

ゴリゴリのラッピング希望

大量のせっけんを購入し、クリスマスラッピングをゴリゴリにお願いする名取が愛くるしい隠れた名シーンです。

あせとせっけん

名言

名取香太郎の名言

あせとせっけん

会社の為です!これから毎日1週間、俺は君のにおいを嗅ぎに来ます!!

引用元:あせとせっけん第1巻4Pより

冒頭から衝撃の発言をする名取。仕事への情熱が強すぎる故の発言ということでどうかご理解ください。

八重島麻子の名言

あせとせっけん

名取さんに嗅いでもらえるの、ずっと待っちゃってました。

引用元:あせとせっけん第1巻138Pより

普段は控え目な麻子さんのこの衝撃発言。悶え苦しむ読者の姿が容易に想像できます。左下のコマの名取の表情も最高です。

大倉部長の名言

あせとせっけん

だってそれが、恋だから。好きな人のことをもっと知りたいって想うことはとても自然なことよ。それを気にする必要はないわ。

引用元:あせとせっけん第3巻33Pより

初めての感情に戸惑う麻子をそっと諭す部長の言葉。こんな上司の元で働きたいですね!

一瀬こりすの名言

あせとせっけん

それがっ、それが恋じゃないんですか!?

引用元:あせとせっけん第3巻54Pより

抱えてきた感情を吐露するこりすの表情。堰を切ったように溢れる感情に、心を鷲掴みされます。

受賞歴

みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞2019第2位

次にくるマンガ大賞2019Webマンガ部門第9位

このマンガがすごい!2020オトコ編第17位

全国書店員が選んだおすすめコミック2020第6位

掲載誌

週刊Dモーニング(2018年29号〜)➡︎ モーニング(2019年44号〜)

作者情報

山田金鉄(やまだきんてつ)5月4日生まれ。

2010年に読切『鉄腕ワビスケ』が週刊少年ジャンプに掲載され、同作が第79回手塚賞準入選

2018年にDモーニングで『あせとせっけん』の連載開始。2019年44号より『モーニング』に掲載誌を移籍し連載中。

みんなの好きなコマ

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毎週毎週本当に心臓をキュウッと鷲掴みにされる エッセンスが随所に挟み込まれていて、 「恋人同士になるかならないか」とか、 「恋のライバルにやきもきさせられる」とか、 そういうラブコメ的なわかりやすい方法論が 駆使されていない、「もう既にくっついている」という、 言ってしまえば安全牌な2人の物語なのに、 いや、なのにというか、だからこそ 安心して心の底から萌え尽くせるというか……。 とにかく麻子さんと名取さんが ゆっくりと、少しずつ関係性を深めていく テンポや温度感が堪らなく愛おしいです……。 (ゆっくりどころか1話で結ばれてはいますが、 結ばれてからの関係性の進め方が良き、という…) 漫画読み的には『こんな安定した関係から この先どういう波がやってくるんだ!?』 という点にも着目したいのですが、反対に 『もうひたすらにずっとこの2人の 幸せなイチャイチャラブラブをただただ見せつけられる 漫画でも本望だ…!!!』という気持ちも強いです…。 とにかくこの作品、青年誌にしてはえっちなシーンが まったくどギツくなく、(かといってけして大人し過ぎず) むしろ女性向けなのでは…?と感じる位に、 男女の「恋愛関係」における『誠実』な部分を クローズアップして描写しているなと常々感じていますし、 そこが核であり、最大の魅力である作品だなと思います。 順序的には『身体の繋がり』が先でしたが、 そこに至るまでの『精神の繋がり』『関係性』が きちんと段階として踏まれているから、 唐突さを感じない。 「社会人ラブコメ」ならではのスピード感とテンポ、 加えてそこに「関係性の誠実さ」もえがかれている所が 従来の青年誌ラブコメとは一線を画す作品なのではと 強く感じています。 ごちゃごちゃ描きましたが とにかくこれからも麻子さんと名取さんが 死ぬほどいちゃいちゃしてくれさえすれば 本望です!!!幸せです!!!! ラブコメの描き方が多様な昨今、そして作品数も膨大な中 あせとせっけんのような真面目なラブコメが読める喜びを ひしと感じています。 登場人物の成長と、お互いがお互いに影響を与え合う過程を テンションに頼らず、実直に、誠実に描いているところが すごく魅力的な作品だと思います。 麻子さんと名取さん、これだけ想い合っているのに、 実は「好き」だの「愛してる」だの簡単に 発していない(言葉でもモノローグでも)ところが 平熱感があって素敵です。 平熱の中に潜む情熱を描写できるラブコメ、 それがあせとせっけんの強みだと思います。

2020年06月29日

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