東京 (28)
とある事情に全くの無関係な人間が、なぜこんなに生きづらくならなければいけないのか。当事者よりも周りの人間の方が多大な影響を受け我慢させられている人間ドラマ。 このやり場のない感情をなんと名付けたらいいのだろう。「あー、俺ずっと、怒りたかったんだ」 やっと気づいた感情はどこに流れ着くのか。 W不倫という重めのテーマを抱えながらも、田島先生がコミカルにキャラクターを動かしてくれるため、なぜだか穏やかに読める。心の在りどころという繊細な揺れ動きがとても丁寧に描かれている。
2020年 09月 04日