東京 (28)
「才能を使う楽しさ」と「才能を持つ苦しさ」を描いた作品です。 ーあらすじー ■とある7人の高校生が異世界に飛ばされる。 ■飛ばされたのは、それぞれが各分野で世界トップの才能を持つ「超人高校生」だった! ■7人はそれぞれの才能を活かして、異世界の人々を救っていく。 ストーリーの主軸は異世界転生ものですし、設定もわかりやすくポップ。 しかし、明るく楽しく俺たちTUEEE!で終わらない魅力が、この作品にはあるのです! それが「才能」の描き方! 才能というものを様々な角度から鋭く描いているので、人の強みを引き出したり活かしたりするのが好きな人はワクワクが止まらないでしょう。 もう少し具体的に言うと、才能を持ってしまった人たちのメリットデメリット両面を描いているという感じです。 一般的に「才能」と言われるものは、表現を変えれば「特異性」とか「異常性」と言い換えられます。 もっと簡単な言葉にすれば「人と違うことそのもの」としていいでしょう。 「他人にはできないことができること」は、それだけで才能です。 理解できないことが理解できる、作れないものが作れる、救えないものが救える、得られないものが得られる、見られないものが見られる、勝てないものに勝てる、知れないことが知れる。 それらはとても素晴らしいことですが、扱いは難しかったりします。 自分がいなければ起きなかった事件が、作れなかった機械が、救えなかった人がいる。 それは世界に、時としてマイナスの影響を与えもする。 起こした波風は船を進ませるけれど、船を転覆させることもある。 そんな自分の「特異性」と、あまりに人と違う部分とどう向き合うか? そんな大きな問題をダイナミックに、そして深く描いていきます。 自分だけができることで世界を変える楽しさ。 どこまでいっても同じ人間に会えない孤独。 変えた世界を背負う覚悟。 才能は、武器は、手に入れて終わりじゃない。 それをどう使い、何を為すかが大事なんだ。 そんなことを思った作品でした。 才能について考えるのが好きな人におすすめです!
2019年 11月 25日