BLUE GIANT SUPREME

石塚真一 / 著

止まるわけにはいかない宮本大は、単身ヨーロッパに渡る。降り立ったのはドイツ・ミュンヘン。伝手も知人もなく、ドイツ語も知らず、テナーサックスと強い志があるだけだ。「世界一のジャズプレーヤーになる・・・!!」練習できる場を探すところから始まる挑戦。大の音は、欧州でも響くのか―――

3行でわかるBLUE GIANT SUPREME

  • 世界一のJAZZプレイヤーを目指しドイツに旅立った宮本大。だが、飛び込みの日本人は演奏させてもらえない

  • 偶然カフェで出会ったクリスは大に宿を提供し、ライブ会場を見つけ、客を集めてくれた。大の夢を信じてー!

  • 大の信念に惹かれた人々が集まり、大を輝かせていく物語。無音の漫画から、まるでJAZZが聴こえてくるかのよう!

作品概要

『BLUE GIANT SUPREME』は、石塚真一先生による世界一のサックスプレイヤーを目指す青年・宮本大(ミヤモトダイ)の物語です。日本を舞台にした第1部『BLUE GIANT』が2013年5月から2016年8月までビッグコミックで連載。2016年9月から2020年5月まで同誌上でヨーロッパを舞台にした『BLUE GIANT SUPREME』が連載。2020年5月25日発売のビッグコミック11号から、アメリカを舞台にした第3部『BLUE GIANT EXPLORER』が公開されています。

『BLUE GIANT』公式サイト

👇試し読みはこちら✨

👉『BLUE GIANT』(日本を舞台にした第1部)
👉『BLUE GIANT SUPREME』(ヨーロッパを舞台にした第2部)
👉『BLUE GIANT EXPLORER』(アメリカを舞台にした第3部)

あらすじ

ジャズに魅せられた宮本大は世界一のジャズプレイヤーを目指し、仙台から上京。

凄腕ピアニストの沢辺雪祈(サワベユキノリ)、同窓生の玉田俊二(タマダシュンジ)と共にJASSというトリオを結成し、日本一のジャズクラブ「So Blue」への出演のチャンスを掴みます。しかし、不幸な事故によってJASSは解散。大はさらに高みを目指すべく、単身でドイツのミュンヘンへと旅立ちます。

英語も話せず、知り合いもお金もない状況でドイツに来た大は、まずサックスが練習できる場所を探します。ドイツ語を学びながら、ジャズがプレイできる場所を探し歩く大のもとに、少しずつ人の縁が集まり、大は彼らの助けを借りつつ、一緒に世界を目指す仲間を探し始めます。そうして出会った小柄なドイツ人ベーシストのハンナ、クセのあるポーランド人ピアニストのブルーノ、どんなプレイにも合わせられる万能のフランス人ドラマーのラファエル・ボヌーと共に、さらに大きな舞台を目指すのでした。

受賞歴

2016年3月

『BLUE GIANT』がマンガ大賞2016で第3位

2017年

『BLUE GIANT』が第20回文化庁メディア芸術祭 マンガ部門 大賞

2017年1月

『BLUE GIANT』が第62回小学館漫画賞 一般部門受賞

2020年5月

シリーズ累計570万部突破

2020年10月

シリーズ累計650万部突破

豆知識

UNIVERSAL MUSIC JAPANから発売された100タイトルのジャズの名盤を集めた「ジャズの100枚。」と『BLUE GIANT』がコラボ。第1弾は2014年10月に発売。2014年12月発売の第2弾パンフレットに掲載された『BLUE GIANT』スペシャル・ストーリーが映像化されています。

👉ジャズの100枚。公式ページ

イベント情報

ブルックス ブラザーズとのコラボイベント

1818年に創業したアメリカの衣料ブランド「ブルックス ブラザーズ」と『BLUE GIANT』がコラボレーションしたイベントが2020年10月30日~11月15日に開催。ブルックスブラザーズ表参道の会場で、作者の石塚真一先生によるオリジナルイラストや原画が公開されました。

👉デジタルアートギャラリー

作品の魅力

まるでジャズが鳴り響いている音が聞こえるような作画と、ジャズに人生を賭けるまっすぐな若者の情熱がほとばしる作品です。大が無名の時に出会い、大を支えた人々の優しさや音楽によって海外の人々の心を掴んでいく大の姿に観客と一緒に感動し、叶えたい夢がある自分の背中も押してくれるような作品です。

登場人物紹介

宮本大

ドイツに単身乗り込んできた情熱的なテナーサックスプレイヤーの青年。ドイツを選んだ理由はジャズプレーヤーの先生の勧めがあったため。ミュンヘンで初演奏を終えた後、仲間を探していろんなジャズバーを渡り歩き、ハンナの演奏に出会います。名前をDie(死)と誤解されがちで、ヨーロッパではD(ディー)と呼ばれています。ハードな音が好きなので、いつもハードにいたいタイプ。どんな場所でも何を演奏する時でも全力。ラファに言わせると演奏が激しくメチャクチャ。

「I’ll be world No.1 jazz player.(世界一のジャズプレーヤーになるよ)」

引用元:(2巻99ページ)

ガブリエルの車に乗っている時にラジオから流れてきたベートーヴェンの交響曲第5番「運命」を聞いて、ナンバーファイブというバンド名を思いつきます。ジャズバンドはリーダーの名前がバンド名に入っていることが多く、Dai Miyamoto and NUMBER FIVEというバンド名にするかをメンバーで話し合いますが、大はNUMBER FIVEを推し、4人全員が納得した時に自分の名前をつけようと提案します。

「You play for, tomorrow? Not today?(お前の本番はいつでも今日じゃなくて明日なのか?)」

引用元:(8巻50ページ)

「1人でも多く増やそうぜ。「ジャズ最高」って客を」

引用元:(10巻23ページ)

「オレは新しい場所で、新しい音に触れたいんだ」

引用元:(11巻70ページ)

高校の音楽の先生にハガキを出し続けています。

「オレは行くんだ」

引用元:(11巻139ページ)

ハンナ・ペータース

小柄なドイツ人ベーシストでいろいろなバンドでサポートをこなしていました。ハンナの演奏を聞いた大は、彼女の演奏の強さに魅かれ、バンドを組もうと持ちかけます。女性であることと体型から軽んじられることが多かったハンナですが、ハンブルグまで会いに来るほどの大からの熱烈なアプローチと音に惹かれ、心を開いていきます。MOREN5(モーレンファイブ)というベルリン出身の5人組ジャズバンドの元メンバーでしたが、技術と外見がバンドに合わないと言われて突如切られたことがありました。左側のドラム音にさらされ続けているせいか、左耳が悪くなっています。音大を休学中。

私がジャズを好きなのは、ジャズが偉大だから

引用元:(2巻154ページ)

将来、ハンブルクまで会いに来てくれた大を思い出し、日本に行った際に大の故郷を訪れ、ホヤを食べました。

ブルーノ・カミンスキ

ポーランド人のピアニストで、大たちと組む前はサウナでアルバイトをしていました。ライブの前にお酒は飲まないタイプ。音楽に厳しく、演奏をミスしたプレーヤーに水をかけたり、演奏の途中で帰ってしまうことも。ピアニストのセシル・テイラーの信者。幼い頃にセシルの演奏を聞きに行き、舞台袖からセシルの名を呼びますが、本人には会えなかったことがあります。その日に、セシルと自分の間には、戦いに勝たないと越えられない壁があるのだと感じました。ドイツには戦いに来ていて、ジャズは戦いだと思っています。

ノースシー出演の後、ドイツのマンハイムからオランダまで大のプレーを見に来た子供の言葉を通訳しながら、ブルーノはセシルに会いに来た時の自分を思い出します。

「オレは、お前を認めていない。でも、オレ達は一緒に勝つんだ」

引用元:(4巻199ページ)

ブルーノはいずれ、ショパンを聴きながらウォッカを飲めるようになります。

ラファエル・ボヌー

高い技術力をもったフランス人のドラマーで、自由と楽しさを追い求め、コネクションを広げるためにバンドを組まず、いろんな人とプレーすることを好んでいます。バンドを組む前にブルーノとのセッション経験もありますが、その時にはブルーノが他のプレーヤーの演奏に怒って退出しました。大、ハンナ、ブルーノとの初セッションで見事なドラミングを見せますが、彼らとは組まないと決めます。ラファのドラムは丸く優しく安心感があり、ラファ自身も誰かを楽しませたい人ではないかと大は考えています。

「楽しさ」と「自由」という信条を曲げてもバンドに加わろうと思った理由は「月がキレイだったから」。

クリス・ヴェーバー

カフェで大と出会い、リビングシェアを勧めた大学生。家賃の代わりにビールを請求するほど身体がビールでできています。大のことはDと呼び、大のためにライブができる場所を探してくれました。出会ったばかりの大のために、ジャズバーに飛び込み営業をし続けるクリスは、それを普通のことだと大に言います。

「いつか世界一になる奴と、知り合えたらステキだなって」

引用元:(1巻96ページ)

大の活躍を本気で信じたヨーロッパで最初の人物。

ボリス

ハンブルクで一番古い楽器店「ミュージックランド」の主人。試奏室があり、大とハンナの練習場になっていました。評論家やレーベルなど、音楽界の重鎮たちにも顔が広い人物です。

「次の音というのは、いつも新しく聴こえるんだ」

引用元:(3巻148ページ)

大たちからバンドのマネージャーとして打診されます。

ハインドル

ボリスの知り合いでMNCレコードの重役。大とハンナに、ブルーノとラファを紹介しました。NUMBER FIVEの最初のライブを見に来ており、その後、NUMBER FIVEにレコーディングのオファーも。

ガブリエル

ボリスの甥。相棒はスポック。スポックはチワワではなく、ヴァルカン人とのハーフで、仲良くなるまでは人を噛みます。ボリスに頼まれてバンドのドライバーとして、大たちをツアーに連れ出します。ドライバー料はガソリン代を別にして1日100ユーロ。

「この船の目的は一つ。無名のお前らを有名にすること」

引用元:(5巻133ページ)

昔はヘビーメタルのプロミュージシャンを目指していました。バンドマンにはなれませんでしたが、最高のバンドのツアーを支えるという夢を持っています。

「お前は、世界一のプレーヤーになるんだろ?」

引用元:(9巻168ページ)

マレク・ヤニツキ

クラシックの著名ピアニストでポーランド人。ブルーノの古い友人。空港のピアノでブルーノと連弾することでNUMBER FIVEの宣伝に協力しました。

アーサー・ウッド

ホルストジャズフェスティバルに来ていた音楽イベンター。フェスで出会ったNUMBER FIVEや高校生の全力の演奏に胸を打たれ、NUMBER FIVEに声をかけます。ヨーロッパの音楽フェスの主催やコーディネートのほか、ロッテルダムの「ノースシー・ジャズフェスティバル」の運営も行っている人物。

サム・ジョーダン

オランダの第1回ホルストジャズフェスティバルから招待を受けた世界のトップベーシストの一人。アンコールでNUMBER FIVEと共演しました。大にバンドのキーはラファで、バンド全体を上げるにはラファを強くする必要があるということ、また大はもっと負ける必要があるとアドバイスしました。

アーネスト・ハーグリーブス

21歳のテナーサックスプレーヤーでイングランド人。ジャズを知ったのは6~7歳の頃で最初はアルトサックスから始め、高校を卒業するまでに500曲くらいのジャズのスタンダードを覚えています。相性はアーニー。大が日本に一時帰国していた間、大の代理でNUMBER FIVEに参加していました。

MOREN5(モーレンファイブ)

ベルリンを拠点に活躍しているクインテットで全員20代前半の音大卒。アルバムの売れ行きも好調でヨーロッパでは注目が集まっているバンド。ハンナが参加していたことがあります。MNCレコードに所属。

ノア・ヴァッサーマン

レコーディングエンジニアで、2日間のレコーディングの間、チームの一員としてNUMBER FIVEのファーストアルバムのレコーディングを行いました。

オリバー・モリソン

世界的スーパーバンド「Lion’s Den」の中心人物。大に「Lion’s Den」の世界ツアー参加を依頼。

作者情報

石塚真一先生は1971年生まれの茨城県出身。中学生時代はブラスバンド部に所属、大学時代にバンドの経験も。22歳から27歳まで米国に留学し、ロッククライミングや気象について学んだ後に帰国。会社員を経て28歳でマンガ家デビュー。『岳 みんなの山』で2008年第1回マンガ大賞を受賞。2013年5月からビッグコミックでBLUE GIANT』を連載開始。

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