東京 (28)
【夢と現実のプロ野球】 プロ野球界をお金の面から切り取り、そこに生きる選手たちのリアルな心情や生き様を描いた作品。 主人公がとても人間味溢れるキャラクターなのが魅力。お金に執着するけど大胆にゲスにもなれず、野球選手としての限界を感じつつもできることを1つ1つやっていく。 野球選手は30歳を超えたら何年できるかわからない仕事です。野球以外できない人が多いからその後の仕事のアテもない。だから野球で稼いでおかなきゃいけない。 そのためには「今日の打席で」「今日のマウンドで」試合に貢献して結果を出さなければいけない。でなければ、いつプロ野球選手をやめさせられるかわからない。 リアルでやや汚い面も語られるので、ピュアな野球ファンや球団ファンは読むのに抵抗があるかもしれません。しかし球界のスター選手や記憶に残るプレーも、こういった部分なしには成り立たないという現実がとてもよくわかります。 人は夢だけで生きてはいけない。けどご飯だけでも生きてはいけない。 夢と現実が交差するプロスポーツの世界を、ゲスくシビアに、しかし愛を持って描いた漫画だと思います。
2019年 10月 15日