プラネテス

幸村誠/著

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プラネテスの好きなところ

人類が宇宙旅行に行けるようになった時代の、宇宙飛行士たちの話。「世界の広さを知って、強くなる」というお話は世に多いですが、そこから一歩先にある「強さをどうやって保つか」を教えてくれる作品でした。「早く金をためて独立したい」「他人のおせっかいはいらない」という尖った態度の主人公の、価値観の変化や成長ともに物語が進む構成ですが、サブキャラたちのバックグラウンドも豊富に描かれています。その「各キャラの過去編」への突入タイミングが最高に気持ちいいです。例えば、主人公より年上のベテランクルー「ユーリ」の過去や心境の変化は、ほぼ序盤で描かれきってしまいます。彼のエピソードの役割はおそらく、読者が物語を読むのに必要な宇宙知識とやりがいを読者に伝えることだと考えています。そして、以後はあまりスポットがあたることなく、堅実な仕事をするクルーとなります。反対に、女性船長「フィー」の過去や、地球での家族との融和は、最終巻まで描かれません。彼女のエピソードは、主人公が精神的に成熟したあと、満を持して描かれたと感じます。とにかく、テーマを描きたい意欲と技術をたくさん感じる、感動しながら興奮できる作品です。僕は読了後、すぐに2回目を読んだのですが、テーマ上の役割がないコマが、おそらく1コマも無いのではと思いました。今からこの文章を送信してすぐ、3回目を読んで確かめたいと思います。

2020年 02月 06日

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