東京 (28)
【知らないを知りたい】 ・空白の地図を埋めたい ・手付かずの土地に足跡をつけたい ・まだ誰も気づいていない新しい市場を開拓したい ぼくたちはそうやって世界を自分の頭の中に組み入れる。 時に原野を蹂躙し、たまには環境を破壊して、さらには人の倫理を越えようとも。 人類の活動領域を、人間の知識世界を、ヒトが自我を手に入れてから膨れ上がらせ続けた意識と言語と数値の世界を、ぼくたちは拡大し続ける。 その瞬間の興奮を感じたいなら。 未踏の原野に旗を立てる高揚を感じたいなら。 無垢な赤んぼうに管理番号をつける背徳を感じたいなら。 絶対にこの作品を読んでほしい。 少年の純粋な欲望と、大人の塗り重ねられた執念を感じてほしい。 ヒトに生まれた瞬間ではなく、人間になる過程で背負う罪みたいなものを感じてほしい。
2019年 08月 15日