東京 (28)
僕たちがやりました
僕たちがやりましたの好きなところ
【暗く湿った青春の if 】 電車のホームに立っている人の背中を見たとき、「いま押したらこの人はどうなるんだろう？」と考えたことはないでしょうか？ 交通量の多い道で老人とすれちがった時に、長い下りエスカレーターの一番上にいる時に、母親が買い物で一瞬離れたベビーカーを見た時に。 学校の廊下で1人、非常ベルの前を通った時に。 この作品は、もしかしたら誰もが入り込んでいたかもしれない暗い道に、入り込んでしまった少年たちの物語。 ーあらすじー ■主人公は平凡な男子高校生。将来に夢はなくて、そこそこの人生でいいと思っていた。 ■ある日、友達が不良高校の生徒とのトラブルに巻き込まれる。その恨みを少しだけ返すため、「ちょっとしたイタズラ」を不良高校に仕掛けた。 ■そのイタズラは予期せぬ結果となり…主人公たちの人生を完全に変えてしまう。 ストーリー全部をどろっと覆う「リアルな陰鬱さ」が読者を引き込みます。 自分の想定とは全く違う大きなことになり、パニックになる主人公グループ。ヤケになるやつ、裏切るやつ、何もしないやつ、翻弄されるだけのやつ。 追い込まれた状態の人間が見せるくだらなさ、しょうもなさ、それを全部やったあとに見えてくる清々しさ。 人間がまとえる装飾をすべて剥ぎ、その後にのこるものだけを集めたような、生々しくグロテスクな魅力が詰まった作品です。 読む人を選ぶと思いますが、面白いことは保証します！
2019年 10月 26日
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