東京 (28)
まるで「エモい」の教科書のような作品。 「エモい」とは何かというと、僕は「その瞬間だけに生まれる感情の揺れ動き」だと思っているのですが、それがとても純度高く描かれています。 このマンガは「不眠症の高校生男子と女子が、2人で学校の中に眠るための秘密基地を作る」という物語。 10代のあの頃、あの瞬間にしか生まれない微かな感情の揺れ動きが、風にそよぐカーテンのように物語を揺らしています。 「眠れない」という悩みを通して、男子と女子が少しずつ共感し合う姿も。 捨てられた備品を使って、学校の中に秘密基地を作る活動も。 眠れない夜、2人で暗い街をあてもなく歩く時間も。 その瞬間の言葉、その瞬間の表情、その瞬間の仕草、それだけが生み出す感情の揺れ動きを、マンガの中に閉じ込めてくれている。 「エモい」という感情を知りたい全ての人におすすめな作品です!
2019年 10月 25日