東京 (28)
音楽によって自分を取り戻す物語。 主人公は中学3年生。かつてジュニアクラシックの世界で絶対王者だった天才少年。しかし母親の死を機に音楽から離れてしまう。 そんな彼の前に謎の凄腕バイオリニストであり、理不尽暴力女であるヒロインが現れる。そして彼の音楽がまた流れ始める。 とにかく演奏シーンと、その「演奏にどんな意味があるか?」を考えられるところが楽しい。 音楽の演奏方法には、自己解釈を多く入れたり逆に伝統を重んじたり、同じ曲でも様々な方法がある。 そのどれを選ぶかは演奏者が「どんな自分でいたいか?」の現れだと思っている。 今までと違う演奏方法を選ぶってことは、目指すべき自分を変えたってことだ。 そんな風に演奏からいろんなことを読み取り、ただ読むだけじゃない楽しさを与えてくれた。 この漫画のそんなところが大好きだ。
2019年 09月 14日