弟の夫

田亀源五郎/著

弟の夫の好きなところ

【理解できなくても、認めることはできる】 亡くなった弟の結婚相手である、外国人の同性愛者が家にホームステイに来る。その数週間の出来事を描いた作品。 ざっくり言うと「自分と他人の差異をどう受け止めるか?」という話だと思っています。 日本でマジョリティとして暮らしていた主人公からすると、家に泊まりにきた外国人はとてつもなく自分と異なる者です。 最初はけっこう露骨に拒否反応を示したりもしています。 しかし共に暮らすことで、お互いの共通する部分と異なる部分がはっきりと浮かび、そうすることで自分と相手を相対的なただの人間と見れるように。 その関係性の変化がとても現実的かつ鮮明なところが作品の魅力です。 なぜ弟と彼の関係性に納得できないのか? なぜ不安や不信を感じてしまうのか? 異なる者に会ったら誰でも感じてしまいそうな感情が、少しずつとけて変化していく様が気持ちいい。 僕の感想ですが、人は他人を理解することはできないけど、認めて信頼することはできる。まずは認めることが大事なんだよってことなのかなと思いました。 異文化交流などに興味がある人にオススメです。

2019年 12月 09日

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