盆の国

スケラッコ

コマ投稿OK

盆の国の好きなところ

みんなでお仏壇に手を合わせた時、誰かがこちらを見ている気がする。 いつもより濃い影の中に、何かがいるような気がする。 いつもより短いはずなのに、なんだか夜が怖い。 夏。強い日差しで何もかもが強く照らし出される分、照らされない部分の闇は濃くなる。 それはお盆という文化がそう思わせているのかもしれないし、怪談という風物詩が刷り込んだものかもしれない。 とにもかくにも夏という季節は、この世とそれ以外の世界が近くなるような気がするのだ。 この作品はそんな夏の感覚を描いたものだと思っている。 主人公の街に毎年現れる、この世のものではない者たち。 だけど誰も彼も「昔からここにいましたが?」みたいな顔をして街をノシノシ歩いていく。 その描写がなんだかとても自然で、本当に居て当たり前の人たちのように感じてしまう。 なんならこのままでもいいんじゃないかと思えるくらいだけど、やっぱりそうはいかない。 お盆は終わるし夏も終わる。また来年とさよならを言わないといけない。 夏が来ると読みたくなる。お盆にはもっと読みたくなる。 そんな作品です。

2019年 07月 30日

人気のニュース

タグからマンガを探す