今年の春、Twitterを騒然とさせた「#水曜日のシヒラ竜也」をご存知でしょうか?
マンガ家・シヒラ竜也先生が『はじめの一歩』や『進撃の巨人』、そして『東京卍リベンジャーズ』など講談社のヒット作品のイラストを投稿する時のハッシュタグで、イラストが投稿されるたびにその完成度の高さが大きな話題になっていました。
〈シヒラ竜也ギャラリー〉
毎週水曜20時に大ヒット作イラストを公開! シヒラ先生の新連載に乞うご期待!
We're bringing you original illustrations of hit manga series every week on Wed at 8:00 PM! And be sure to catch Tatsuya Shihira's new series soon to run in Weekly Shonen Magazine! pic.twitter.com/08Jtj6gW4Y— 英戦のラブロック【公式】 (@lovelock_wm) April 29, 2021
実はこれ、シヒラ竜也先生の新連載のスタートを記念して行われたコラボ企画なのです。思わず圧倒される大胆な構図、そして緻密なカラー表現は大きな注目を集めました。
そんなシヒラ竜也先生の新連載『英戦のラブロック』ですが、本日7月16日に待望の単行本第1巻が発売されました。今まで多くの人々を魅了してきたその圧倒的な画力でニュータイプのアンチヒーローを描きます。
夢破れたモブが運命に抗う
物語の舞台は英雄と呼ばれる存在たちが世界の平和と秩序を管理する世界。英雄の圧倒的な力に憧れ、大切な人を守るために「英雄になる」と誓い合った双子がいました。
数年後、兄の蒼(あお)は炎を自在に操る「火葬の英雄」として活躍しますが、弟の陽彩(ひいろ)は、夢破れて英雄たちの後始末をする清掃員として働いています。
物語の主人公のような蒼、一方でモブな陽彩...。華々しく活躍する蒼を横目に、陽彩はこれが自分の運命なのだと現状を受け入れて日々過ごします。ですが、英雄たちの本当の姿を知り、さらに幼馴染のイルカが英雄によって傷付けられそうになった時、自分の運命に抗い英雄たちに立ち向かいます。
ニュータイプのアンチヒーロー
英雄たちの本当の姿はさておき、その存在によって世界の平和と秩序が保たれている世界では、英雄に刃向かう陽彩はアンチヒーローそのもの。アンチヒーローといえば、圧倒的な強さを持っていたり見る者を魅了するカリスマ性を兼ね備えていることが多いのですが、陽彩にはそれらの能力がありません。ですが、劣等感や喪失といった辛い過去から這い上がってきた陽彩の不完全さ、そして闇を帯びた一面によってニュータイプのアンチヒーローとして強烈なインパクトを放ちます。
シヒラ竜也先生ならではの圧倒的な画力で描かれるバトルシーンはもちろんですが、話が進むにつれて精悍な顔つきになっていく陽彩の表情の変化にもぜひ注目してくださいね。
疾走感のあるエンターテインメント感
単行本第1巻では1〜5話が収録されているのですが、まず冒頭の3話で個性豊かなキャラクターが続々と登場し、それぞれの真相や物語が交錯し止まることなく展開していく疾走感のあるエンターテインメント感をぜひ体感してください。