東京 (28)
「…入った」と文字だけで物語を締めくくったのは、絵本奈央先生の御業なのか、岡田麿里先生の御業なのか、、 余韻を残すとともに、物語の最初に回帰させるワードを選ぶセンス。 やっぱり、好きだわ。この作品。 8巻届きました。完結までしかと見届けましたよ。 『荒乙』との出会いは、週マガでの出張掲載で、 えっ、少年誌にそこまで載せていいのか? ええ、例の"典元泉"くんの”おとりこみ”シーンです。 衝撃的強すぎて、自分の”おとりこみ”がのぞかれた気持ちにすらなる、あのシーンです。 その後の彼がどうなったのかが気になって、単行本を買い始めたのがこの作品を手に取ったきっかけだったと思います。 その頃、初めてハマっていたガンダムシリーズで、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』という作品がありました。まさかその作品が、岡田麿里先生によるその脚本だったとはっ! えっ!?絵本奈央先生が実は日向武史スタジオに携わっていたとはっ! おいおい、『荒乙』最高かよっ! もうこの出会いは必然かっ! これは、ずいぶん経ってから知ったことでした。 少年、少女、若者、父親、母親・・読む人の角度によっていろんな色に見える物語なんだと思います。 僕の場合、父親の目線と少年の目線の間のところでこの作品を見てて、 「性」というワードでバカバカしく揺れ動く彼女たちが愛らしくも映り、 「時速60キロで走る車の窓から手を出した時に感じるあの感触が”おっぱい”らしいぜ」とか言ってたあの頃が懐かしくもある。 客観的にみる自分と、入り込む自分を感じるこれまでにない作品で、読んでいる時は無意識に微笑んでしまっているので、あんな気持ち悪い姿は他人には見せられないっす。という作品でした。 今では、誰かにマンガを薦める時は『荒ぶる季節の乙女どもよ。』を真っ先に推してます。 老若男女共よ、是非。
2019年 10月 12日