2019年に40周年を迎えたヤングジャンプが、全40テーマの漫画賞を設けた「賞金総額最大1億円40漫画賞」を2020年1月9日(木)より開始しました。「歴史」「SF」「ラブコメ」といったメジャーなものから、「勝手にスピンオフ」「愛されキャラ」などのニッチなものまで、多彩なテーマが用意されています。
さらに、「歴史」は『キングダム』の原泰久先生、「SF」は『GANTZ』の奥浩哉先生、「ラブコメ」は『かぐや様は告らせたい 〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』の赤坂アカ先生と、ヤングジャンプ連載陣のそうそうたる先生方が審査員を務めます。
アルは40の漫画賞を盛り上げるため、各業界におけるマンガ好きの著名人の方々にインタビューする連載企画をスタート。第2弾は、YoutubeやInstagramでの発信活動や、スキンケア用品やルームウェアのプロデュースなど、「モテクリエイター」として幅広く活動されるゆうこすさんにインタビューします。
2019年度の小学生が将来つきたい職業ランキングで「YouTuberなどのネット配信者」が全体3位になるなど、人々の職業観が大きく変化している一方、「お仕事マンガ」といえば『島耕作』シリーズや『左ききのエレン』のような、サラリーマンが描かれた作品が多いです。
そこで、「インフルエンサーのお仕事マンガ」の誕生を願い、ゆうこすさんの活動の実態や、現在のお仕事をされるようになった経緯、読んでみたいマンガのアイデアについてお話を伺いました。
「毎日5冊はマンガを読んでいる」
ーー本日はよろしくお願いいたします!ゆうこすさんは、王道のバトルマンガから少女マンガまで幅広く読まれているそうですね。お休みの日は、いつもマンガを読まれている感じですか?
ゆうこす:「休みに読む」みたいな次元じゃないですね。マネージャーさんとご飯を食べにいったら、お会計までずっとスマホでマンガを読み続けて、一言も話さないこととかよくあります(笑)。一日に最低でも5冊は読んでいると思いますし、読むマンガがなかったら、すぐ何か買っちゃいます。
ーーおぉ、すごい勢いで読まれていますね!スマホで読まれるということは、電子版で買われることが多いのでしょうか?
ゆうこすさん:1994年、福岡県生まれ。アイドルグループを脱退後、ニート生活を送ったのち自己プロデュースを開始。「モテクリエイター」を名乗り、株式会社KOSを創業。現在はタレント、モデル、SNSアドバイザー、インフルエンサー、YouTuberとして活躍中。Instagram、Twitter、LINE@、YouTubeなどSNSのフォロワーは150万人以上。スキンケアブランド「youange」やアパレルブランド「#amic」など数々の事業を手がける。著書に『SNSで夢を叶える ニートだった私の人生を変えた発信力の育て方』、『共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る』がある。
ゆうこす:電子で読むことが多いですが、紙も買っちゃいますね。家での保存用と、読む用っていうか…。浅野いにお先生の作品みたいに、絵が細かく描き込まれているものは拡大して読みたいから、電子で買うことが多いかな。
あと、好きな本屋さんがあって、そこで鬼のようにジャケ買いしていますね。全然知らない漫画家さんと出会えるので。この前は、何も考えずに本を選びまくっていたら、総額が6万円ぐらいになっちゃった(笑)。
ーー6万円って相当な額ですよね(笑)。ものすごい量だったんじゃないですか?
ゆうこす:そのときはたしか65冊とかだったはず…。いわゆる「サブカル」っぽいマンガをよく買うんですけど、装丁がとても凝られていて、1,500円ぐらいするものが多いですよね。装丁でいうと、愛☆まどんな先生の『白亜』とか、めちゃくちゃやばいです。
ゆうこす:側面が蛍光ピンクで塗装されているんですけど、とても高い技術が必要らしくて。塗れる人が、日本に一人しかいないそうです。他にも驚くような仕掛けが本に施されているんですけど、先生が以前「秘密にしておきたい」とお話しされていたので、ここでは触れないでおきます(笑)。
ーーその仕掛け、僕も知っています!そういうことであれば、秘密にしておきましょうか。他にも、事前に行わせていただいたヒアリングだと、ふみふみこ先生の作品が特にお好きだということでした。
ゆうこす:ふみふみこ先生の『そらいろのカニ』は、人生でトップ3に入るくらい好きです!私、旧版と新装改訂版の両方を持っているんですけど、新しいほうは最後に1ページだけ追加されているんですよ。この1ページで、ものすごくストーリーに広がりができて、とても素晴らしくなったんです!
ーー1ページでも続編が描かれていると、めちゃくちゃ興奮してしまいますよね。分かりますよ…。ふみふみこ先生の作品のどういった点を気に入られているのでしょうか?
ゆうこす:ちょっと歪んだ愛情が描かれている作品が好きなんですよ。ふみふみこ先生は「この人大丈夫かな」って思ってしまうぐらい、どの作品もやばい(笑)。最近描かれた半自伝の『愛と呪い』とか、『ぼくらのへんたい』とか、どれもすごいです。
あとは、古谷実先生の作品がすごく好きですね。小学生のときに『シガテラ』や『僕といっしょ』を読んで育ちました。他にも、立原あゆみ先生の『MAJI!! -本気(マジ)-』っていうヤンキーマンガとか。
ーー読まれているジャンルの幅がすごいですね…!ちょっとやそっとのマンガ好きでは、太刀打ちできないレベル。特に古谷実先生の作品なんかは、小学生のセレクトには思えないですが、ご家族の影響でしょうか?
ゆうこす:そうですね、お父さんとお母さんもマンガが好きですし、いとこのお姉ちゃんがかなりサブカル好きだったので、その影響が大きいです。あと、地方の中華料理店や病院って、なぜか分からないけど、『モンキーターン』や『ミナミの帝王』が必ず置いてあるじゃないですか(笑)。そういった場所に行ったときに、よく読んでいましたね。
ーーここまでかなり幅広い作品の名前が挙がりましたが、好きな作品の共通項とか、あったりしますか?
ゆうこす:うーん、『白亜』もそうですけど、マンガとアートの中間みたいな作品が多いかも。たとえば、『明日ちゃんのセーラー服』も大好きなんですけど、ページの使い方がかなり独特で、女の子が運動したり、髪を結んだりする様子が、1ページずつコマ送りで描かれていたりするじゃないですか。
究極のフェチシズムを感じるというか、キャラクターの動きの勢いや匂いまで伝わってくるような描写に、すごく魅力を感じるんですよね。
ーー「そこを突き詰めるんだ」みたいな、尖った表現がされている作品というか。
ゆうこす:そうですね。モテクリエイターとしての活動に、通じるところがあるかもしれません。SNSの世界では、最初から多くの人に好きになってもらおうとせず、狭い範囲のコアな人たちに刺さる発信をするのがいいんですよね。
私、Twitterやインスタで「モテ」にまつわる発信をして、ある程度コアなファンをつくってから、YouTubeを始めたんですよ。すると、1ヶ月目から登録者数が8万人くらいになって、すごく注目されました。
ーー異常な伸び方ですね、すごい…!
ゆうこす:自分自身もコアなファンに愛される人でありたいと思いますし、マンガも何かに突出して勝負している作品を見ると、惹かれてしまいます。自己満足を突き詰めている感じが、好きなんですよ(笑)。
スーパースターではなく、「身近な存在」を目指している
ーーこの流れで、ゆうこすさんのお仕事について聞いていければと思います。まず、ゆうこすさんは普段、どのような働き方をされているんでしょうか?
ゆうこす:今はモテクリエイターとしての活動に加え、YouTuberや歌手などのタレント育成の仕事もしています。なので、いわゆるインフルエンサーの仕事だけをしている、という感じではないですね。
3年から4年ほど前の駆け出しの頃は、ひたすら色んな情報をリサーチして、自分ならではの解釈をし、発信していました。当時は『ゆうこす』という雑誌を一人でつくっているような感覚でしたね。
けれど雑誌と違い、動画やインスタでリアルタイムに発信しつつ、読者とコミュニケーションを取る必要があります。24時間、常にリプライやいいねが飛んでくるので、コールセンターで働いているような気分にもなったりもしました。
ーーこうして聞くと、求められるスキルがとても多く、本当に大変そうな仕事ですよね…。
ゆうこす:さらに、ファンは新鮮な情報を求めています。私の場合はコスメの情報を発信していたので、色んなブランドの新商品を把握し、発売日に店頭に並んで、「ゆうこす的なモテ色はこれですね」みたいなレビューをしていました。
けれど、それだけをやり続けてもお金を稼げる仕事になりづらいので、PR案件をお受けしたりもします。とはいえ、インフルエンスが成立している状態じゃないと、そもそも良いPR案件を打診していただけません。
ファンの気持ちを動かすための施策を考えて、実行して、PR案件をお受けして、またファンの気持ちを…っていう繰り返しですね。
ーー本当に地道な取り組みの積み重ねで、影響力を高めていかれたんですね。元々はアイドルをされていたゆうこすさんが、今のお仕事を始められたきっかけは、何だったのでしょうか?
ゆうこす:まず、アイドルの活動は一年ぐらい続けていたんですが、体調を崩してしまったり、「恋愛したい」と思っちゃったりして、辞めました。その後は専門学校に通ったり、タレントとして活動してみたりしたんですけど、上手くいかなくて。半年から一年ぐらい、地元の北九州に帰り、ニートをしていました。
もともとインターネットが大好きだったので、SNSから自分のことを発信するアイデアは自然に生まれました。そのとき、私ができることかつ、楽しんでもらえることが何か考えたとき、「ぶりっ子」が最大のアイデンティティだったので、それを活かした発信をしようと思ったんです。
「モテたい」と思っている女の子たちに、有用な情報を発信できたら、共感を得られるんじゃないかと。
ーーゆうこすさんと同じようなポジションの人があまり思い浮かばないんですけど、今のご活動をされるにあたって、誰か参考になる人とかはいましたか?
ゆうこす:いなかったですね…。私が発信を始めたのは、今みたいに「YouTuber」や「インフルエンサー」といった言葉が、一般的に使われていなかった時期です。「インスタグラマー」は、少し使われ始めていたかな。ゲンキングさんやローラさんのインスタが話題になっていた覚えがあります。
でも、「お金持ちや美女が勝つ世界」という感じで、今みたいに一般人が「私たちにもできるかも」と思える雰囲気はありませんでした。
ーーそこから、なぜ発信活動をされるようになったのでしょう?
ゆうこす:あるとき、地方在住の身で彼ら彼女らの投稿を見ると、東京で見るのとはまったく違う感覚になると気づいたんです。たとえば、私服の写真が投稿されているのを見て「おしゃれだな」とは思うんですけど、雑誌みたいに「真似しよう」とはあまり思わないというか。
その服を着る環境が違うからなのかなぁ。何というか、別世界の物語を見ているような感じでした。それでもたまに真似したいと思えるときはあったんですけど、真似しようにも何も情報が書かれていないんですよ。
そもそも参考にしてもらうことが前提にない発信だったので、「私だったらこうしたい」みたいなアイデアが出てきたんです。
ーーなるほど、自分なりの勝ち筋が見つかったんですね。
ゆうこす:ゆうこすは「モテるために生きてる!」んですけど、ローラさんみたいなスーパースターというよりは、「参考になる近所で一番かわいいお姉ちゃん」みたいな感じを目指しているんですよね。
手探りではありましたが、「このポジション、取れたら強くね?」と思って発信しているうちに、今の仕事につながりました。
「SNSのプロ集団」のマンガが面白そう!
ーーテレビの中の人というよりは、親近感のある人を目指されているというか。ゆうこすさんが思う仕事の醍醐味というか、楽しさを感じられるポイントは何がありますか?
ゆうこす:自分でものをつくって売るのが、すごく好きですね。それを強く実感したのは、2年前くらいにスキンケアブランドを立ち上げたとき。当時はスキンケア用品をフルラインでつくる資金もなくて、「とりあえず何か一つつくりたい!」という思いから、ボディクリームをつくりました。
完成した商品を最初に売るときは、「8時に発売します!」と投稿だけして、たしか400個くらい売れたんですよね。それで、その次の週の同じ時間にライブ配信しながら売ってみると、2週目は初日の倍以上の数が売れたんです。
普通に考えたら、発売日のほうがたくさん売れるはずですよね。商品は同じでも、届け方次第で売上は大きく変わるんだと驚きました。今までで一番売れたときは、1日か2日で4000万円くらい売り上げました。もう、めっちゃ売れた。「最初の400個、何だったんだよ!」ってぐらい(笑)。
ーーものすごい売上ですね…!ライブ配信ってそんなに大きな効果があるんですね、驚きました。
ゆうこす:やっぱり、画面を通して商品の魅力を伝えるのが、面白いんだと思います。アイドルをしていたときは、目の前のお客さんたちに向かって歌って踊ることが多く、喜んでくれている様子を直接見れていたんですよね。
でも、顔が見えない人たちに喜んでもらうためには、見え方をたくさん工夫しなきゃいけません。相手の心を動かせたことが、売上やいいね、リツイートなどの数字ではっきり分かるのが、とても楽しいです。
ーー反対に、お仕事で難しさを感じられるポイントは何がありますか?
ゆうこす:視野が狭くなりやすいことでしょうか。たとえばYouTubeでバズるためには、YouTube村の人たちと絡んで、やり方を教えてもらうのが早いですよね。けれど私はYouTuberになりたいというよりは、YouTubeを通して色んなところに派生していきたいんです。
それなのに、気を緩めるといいね数だけにこだわるような状態に陥ってしまいそうになる。安易に「〇〇をやってみた」みたいな企画をしそうになっちゃったり(笑)。自分のコンテンツの反響を、いいね数ですぐに確認できるのは楽しいですけど、そこに振り回されすぎるのはダメだなと思います。
ーー分かりやすい指標がある一方で、そればかりに執着してもいけないということですね。ここからは、マンガのアイデアについて伺っていきたいなと思います。今までなかった仕事だったからだと思うんですが、ゆうこすさんみたいなインフルエンサーを主人公にしたマンガって、なかなか見かけませんよね。
ゆうこす:インフルエンサーのマンガ、ないですよね!絶対に出てきてほしいと思っています。二つ理由があって、一つが、インフルエンサーってすごくかっこいい仕事だと思うんですけど、今あるマンガでの描かれ方を見ると、少しバカにされているような作品が多い気がするんです。
「インスタ映えのことしか考えられない女」とか「YouTubeで過激な動画を上げて炎上しようとする男」みたいなキャラクターばかり登場するじゃないですか。仕事としてやっている側からしたら「こんなこと言わないでよ」って気持ちになる(笑)。
最近は、インフルエンサーに憧れている子供たちもたくさんいるから、かっこよく描いてほしいです。
ーーたしかに現状だと、少し風刺的に描かれることが多いかもしれませんね。
ゆうこす:もう一つは、炎上の乗り越え方を多くの人たちに知ってほしいんですよね。最近は一般の子も炎上に巻き込まれてしまい、傷ついたりしているじゃないですか。そういった人たちの救いになるようなコンテンツが生まれてほしいなと。
ーーマンガで描かれたノウハウって、ストーリーで語られるからか記憶に残りやすいですし、炎上対策の話とかが描かれたら、多くの人に広まりそうですね。ストーリーについても、何かアイデアをいただけたりしますか…?
ゆうこす:チームの頭脳戦っぽいのが、いけそうだと思います。インフルエンサーって一人だとメンタルが死んじゃうので、基本的にチームをつくらないと活動を維持できないんですよ。
365日ずっと人前に立って、意見を投げかけられて、数字にも追われて…と、メンタルにかかる負担が半端じゃないんです。今のゆうこすチームにも、デザイナーや動画編集者、経理などのメンバーがいて、私がボーカルのバンドみたいな編成になっています。
ーーなるほど、例えがすごく分かりやすい!
ゆうこす:SNSの登場によって「個の時代」という言葉をよく見かけるようになりましたが、インフルエンサー活動に関しては、これから「チームの時代」がやってきます。私たちみたいなSNSのプロ集団は、これからどんどん増えていくと思います。
インフルエンサーの活動にはフェーズがあって、最初は情報発信をして徐々にファンを増やしていき、ブランドをつくる段階でチームを組むんです。だから、チームが結成されるまでの苦労とかを描いたら、面白いんじゃないかなぁ。
インフルエンサーに向いているのは「モテる人」
ーーそれはぜひマンガで読んでみたいですね、面白そう!ちなみに、ゆうこすさんが考える、インフルエンサーに向いている人の特徴とかってあったりしますか?
ゆうこす:あんまり「向いてない」がない気がするかも。たとえばフォロワー500万人とか、お茶の間で名前が登場するレベルを目指すとなると、色々な能力が必要だと思います。けれどインフルエンサーは、自分を見てくれる相手のことを知り続けたいと心から思えるなら、誰でもできる気がします。
ある程度のわがままさも必要だと思っていて、その上で相手の気持ちを深く考え、それらを上手くすり合わせたコミュニケーションができる人…。だから、「モテる人」かな(笑)。
ーーある意味、絶望的な回答が返ってきてしまいました…。
ゆうこす:とはいえ、コミュニケーションが苦手であっても、向いていないかと言われると、そうでもない気がしますよ。さっき、インフルエンサーがチームで活動する時代になっていくとお話ししましたよね。
苦手なことがあっても、サポートしてくれる人たちに頼ればいいんです。それに、今後、SNSで活躍するタレントは、自分で情報発信するところからスタートするのではなく、UUUMのような事務所が活動の入り口になると思うんです。
「私、インフルエンサーになりたいから、この事務所に入ろう!」みたいな。数年先には、事務所で発信をサポートする人たちのなかにも、SNSネイティブの世代が増えてくるはず。強力なサポーターはどんどん現れるはずですし、私が運営するKOSもそういった人たちが集まる事務所を目指しています。
だから、良い環境に身を置けたなら、誰でもなれるんじゃない?と思いますよ。
ーーたしかにチームでの発信が前提なら、自分が苦手な分野は人に任せることもできますね。しかし、今もインフルエンサーになりたい人がたくさんいるなかで、なれる人となれない人の差って何なんでしょうか?
ゆうこす:SNS運用についての相談をよく受けるんですけど、ほとんどの人が「自分はこういうやり方をしたら、需要があると思うんですよ」と話すんです。でも大体の場合、その感覚がズレていて、なんで〜〜!ってなるんですよね。
一番多いのが、女の子で「私は顔もそこまで可愛くないし、特技もないけれど、それがむしろいいと思うんです」っていう人。「メイクは下手だけど、下手なりのメイクを発信して、共感を得ようと思います!」みたいに言われるんですけど「え?」ってなる(笑)。
ーー世間的な需要とズレていることを客観視できていないパターンが多いと。
ゆうこす:そうです。まぁ、「とりあえずやってみ!」って言って、しっかり伸びてきている子もいるんですけどね。最初は見る側の気持ちが全然分からなくても、とりあえずコンテンツを世に出してみるのは大事かもしれません。
お客さんの意見を直接聞いてみないと、やり方を変えていくのも難しいので。私も最初は全然バズらなかったし、試行錯誤するなかで今のようなスタイルになりましたからね。
ーーとにかく見る側の気持ちを想像する力が大切で、そのためにはコンテンツを世に出すところからだと。インタビューも終わりに近づいてきたので、最後に何か言っておきたいことなどがあれば、教えてください。
ゆうこす:え〜、何だろうな。そうですね…。私にとってマンガは、すごく読みやすい人生の教本のような存在というか。これまで、仕事や人付き合いに関する多くのことを、マンガから学んできました。
一方、私のファン層の女の子たちは、あまりマンガを読まない子が多いみたいです。今まではコスメを中心に好きなものを広めてきましたが、マンガもポップに楽しく、買いたいと思ってもらえるような発信をしていきたいです。
そのためにはマンガファンの方々のお力添えが絶対に必要だと思っているので、ゆうこすがマンガのことを発信していたら、ぜひいいねやリツイートをしてくれると嬉しいです。と、伝えてください!
あとがき
取材前のヒアリングで好きな作品をお聞きしたところ、「多すぎて選べない」とお返事をくださったゆうこすさん。対面してお話を伺うと、本当に幅広いジャンルの作品を読まれており、驚きました。
筆者が取材後に撤収作業をしている際、ふと「キルア(『HUNTER×HUNTER』のキャラクター)とマジで付き合いたい」とつぶやかれていた様子を見るに、キャラクターへの愛情もとても強い方のようです。
実は『スラムダンク』や『キングダム』などについても語っていただいたのですが、記事に収まりきらず…。最後にお話しされていた通り、これからマンガについての発信もされるそうなので、気になる方はぜひゆうこすさんのSNSをチェックしてみてください。
インタビューを振り返れば、ゆうこすさんの実体験に紐づく「お仕事マンガ」のアイデアが面白かったのはもちろん、「世間的な需要よりも自分の伝えたいことを優先しようとする人は、インフルエンサーとして成功しない」という指摘には納得させられました。
これは、マンガづくりにも通じるお話だと思います。以前、筆者がお話を伺ったヤングジャンプ編集部の大熊さん(※)は、「読者が読みたいものと作家が描きたいものが一致してこそ、素晴らしい作品が生まれる」とおっしゃっていました。
ゆうこすさんが自分のアイデンティティとして「ぶりっ子」を押し出したように、自分の強みを明確化しつつ、それを通じて世間に何を与えられるのかを考え抜くことが、ヒット作を生み出すための第一歩になるのではないでしょうか。
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