東京 (28)
「学校の中に、ほっとする場所があった」 「教室の隅に、校庭のベンチに、裏庭の花壇に、練習後の部室に、あるいは帰り道のコンビニ前に」 「いつも仲間がいて、話が絶えなくて、笑っていられる。ほっとする場所があった」 そんな人におすすめしたい作品です。 ーあらすじー ■「大学ではそういう系のサークルに入る!」1人の大学一年生はそう心に決めた。 ■春のサークル部室棟で1人さまよう主人公、彼はオタクを楽しみきれないオタクだった。 ■そんな彼が入ったのは「現代視覚文化研究会」、まさしく「そういう系のサークル」だ。 ■初めての同人誌、初めてのコミケ、初めてのサークル出店。そしてなにより、初めての同好の人々。 ■オタクは、大学は、同じものが好きな人がいる場所は、こんなにも楽しい! オタクならではの「居場所がある楽しさ」をめっちゃ濃く、しかしポップに描いた作品です! 大学を舞台にした作品は、仲間内でわいわいやるような「内輪ノリの楽しさ」を描いたものが多いのですが、それのオタクバージョンって感じですね。 オタクバージョンってなんじゃいって感じだと思いますが、例えば作中で繰り出される様々なギャグにもそんな要素が。 作中では登場人物の会話に「元ネタありきの一般受けしないギャグ」がポンポン出てきます。でもこういうの地味にすごいとおもっていて。 ・お互い元ネタを知っている ・「こいつは知ってるだろう」という信頼関係がある っていう2つの条件が揃わないと成立しないんです。 高い教養と信頼を要求されるユーモアなんですね。 だからそのギャグが成立するというだけで、大きな「オタク」という流れの中に生きる仲間であることが確認できてしまう。 それを読んだ人は、「ああくそーわかるぞそれ、そのやりとり成立したらめっちゃ楽しいじゃん」となるわけです! (ギャグがわかればですけど…) 共通言語がある楽しさ、共有する世界がある楽しさ、そんな仲間がいる楽しさ。 そういう「居場所がある楽しさ」を感じたい方はぜひ。 友達同士でオリジナルの合言葉を決めていたあなたにおすすめの作品です!
2019年 11月 12日