やがて君になる

仲谷鳰著

コマ投稿OK

やがて君になるの好きなところ

・今までに読んだ漫画の中で最も帯の運用が神 ・思春期真っ只中で自身のアイデンティティを確立できていないことへの不安を抱える若者たちの等身大の物語 ・他者との交流を通して曖昧だった自身の輪郭を掴んでいく過程が健気 ・あらゆる恋愛観(異性愛、同性愛、アセクシャル)を肯定も否定もせず「当たり前に等しく存在しているもの」として描いているのが好き ・奇跡のように登場人物全員の性格が良い。誹謗中傷をしないのは勿論のこと他人の事情をわざわざ詮索しない、勝手に裏で応援するスタンスで素敵。(特に侑の姉) ・攻守交代が頻繁にあって美味しい ・どちらかというと侑攻めが好き ・推しカプ見守りオタク槙くん良い味出してる ・人生経験の浅さゆえ友人との共通言語が「学校」「部活」「恋愛」くらいしかない高校生活の閉塞感がリアル ・自ら姉の二番煎じになろうとしている(というかその方法での自己実現しか知らなかった)燈子が痛々しかったけど演劇を通して自らを救うことができて良かった。 ・その救済の立役者こよみちゃんのバリューがやばい ・こよみちゃん良いキャラだったのでスピンオフでバリバリ出世していく話が読みたい ・水族館デートしたい ・佐伯さん、当て馬界の女王 ・やりようによってはもっと自分の意図通りの展開にもできただろうに、燈子への愛ゆえ自分から損な役目を追っていてキュッとした ・でもわざわざ悲劇のヒロインに浸ることもせず、ちゃんと自分の幸せに向き合っていて良かった ・電車での別れ際に手に間接チューするやつ訳わからなすぎてドキドキした ・お泊まりセックス描写に「作者が描きたいから」「読者が読みたいから」といった外野の野暮な恣意性が全く介入していないのが良かった。今まで散々我慢してきた2人の熱情が健全に発散されていた。 ・侑攻めのセックスは解釈一致 ・「好きは今のままのあなたじゃなきゃ嫌ってことではないけど、どんなあなたになってもいいってことでもないと思う」真理 ・「あなたは私の好きなあなたでいてくれるだろうっていう信頼の言葉」真理2 ・悠と燈子が恋人同士になったこと自体も最高にめでたいけど、それ以上に各々が「自己に向き合い、自己を認め、他者を愛する礎ができたこと」が素晴らしい ・最後まで読んでこの物語の主軸は恋愛ではなく2人の精神面の成長過程だと思った。どの登場人物にも無駄がなく、程よい恋愛青春要素を散りばめて8巻で綺麗に締めていてすごい。

2022年 01月 09日

人気のニュース

タグからマンガを探す