リウーを待ちながら

朱戸アオ/著

リウーを待ちながらの好きなところ

ペストの感染拡大を防ぐために奮闘する医師を中心とした群像劇。中盤、街を封鎖した際、「敗北」と表現されているように、打手なく淡々と事態は深刻さを増していく表現がリアル。 またこの作品のいいところは、ウィルスを持ち込んだ自衛官がいじめられて自死したり、街に閉じ込められた女の子がSNSで誹謗中傷されたり、感染者をマスコミが居場所特定して押しかけた挙句事故死したり、病気そのものではない二次被害についての描写が秀逸なところです。 重い話ですが、終始登場する病院のお手伝いをしている外国籍の男性が軽妙で、チョイ役かと思いきや、話の語り部的にもなっていて、実はキーマンだったり、物語にアクセントをつけてくれています。 ラストもハッピーエンドでもバットエンドでもない淡々とした感じですが、読後感は最高です。

2020年 02月 19日

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