僕だけがいない街

三部けい/著

僕だけがいない街の好きなところ

現代日本を舞台にしたタイムリープミステリ。僕は、前半と後半で「ドキドキの種類」が変わる点が大好きです。前半は、主人公の身の回りの大小のトラブルをタイムリープで解決しながら、より大きな脅威である連続事件の真犯人を明かしていく構成です。謎の発生と解決のテンポが良く、一つひとつに解決の喜びもしっかりあって、楽しくて読むのが止まりませんでした。真犯人が分かってからの後半は、情報や伏線をほぼ回収し終えてなお、「犯人の行動の先読みに成功するか?」「主人公たちはいつ・どのように犯人の行動を確信したかか」という説明が、一旦読者には隠されるので、大きな答え合わせを待つ「古畑任三郎」式の推理の楽しみ方があります。真犯人以外の人物が、(基本的には)良い人で魅力的なのも、事件が続く中での癒やし。ここまで、頭から最後まで読むのが止まらない作品は、なかなか無いと思います。

2020年 02月 04日

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