売国機関

カルロゼン品佳直/著

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売国機関の好きなところ

単純な勧善懲悪ではない、リアリティーのある正義の物語が読みたい人へ。 20世紀初頭のヨーロッパのような世界で、とある特務機関の暗躍を描いたサスペンスです。 主人公の「正義のサイコパス」っぷりにシビれます。 正義のサイコパスとは何かと言うと… 主人公たちの目的は「戦争を止めること」で、それが国民の幸せになると信じて行動しています。 しかしそれが国民に支持されるかと言うとそうでもない。 「敵国にひと泡ふかせろ!」的なことを言う民衆もたくさんいて、冷静に考えられる人たちからすると「何言ってんだこいつ?」という状況なのです。 そういった「論理的に考えると間違ってるけど、感情的には正しいように見える」人々や意見を、主人公がこれでもかとギッタギタにします。 感情論や多数決では相手が正義かもしれないけれど、自分の中にある論理的で冷静な正義を譲らず、躊躇なく相手をなぎ倒していく。 リアルな世界で周りに気を使いすぎるタイプの人は、胸に迫るものがあるのではないでしょうか… 苦しみの中をかき分け目的地へ向かう、執念と信念の物語です。

2019年 11月 08日

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