月曜日の友達

阿部共実/著

月曜日の友達の好きなところ

【UFOはわたしだけをさらってくれないんだ】 燃えるような赤い空。 刻々と変わる雲の形。 水平線は空との境界を忘れ、まるで世界が青と赤の濃淡で塗りつぶされたようだ。 夕立、慌ただしく開く置き傘。 私は傘立てから動けないでいる。 鬼ごっこをした彼も、野球をした彼女も、気がつけば知らない言葉を話している。 みんないつのまにUFOがさらっていったのだろうか。 新緑と青葉の手をすり抜けた光が地面に優しく降り注ぎ、まるで輝く草原を歩いているかのようだ。 乾いた空気。吐く息は雲のない空に吸い込まれる。 私はいつのまにここへきたのだろうか。 隣にいる友達は、季節を越えるたびに違う顔をしていた。 また隣に立って歩けるだろうか。

2019年 08月 12日

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