賢者の学び舎 防衛医科大学校物語

山本亜季/著

賢者の学び舎 防衛医科大学校物語の好きなところ

クールでまわりに染まらない主人公×寮生活×高専門性の学園モノ。これは、似た構造をもつ『銀の匙』ではほとんど深刻に描かれなかった、主人公が周りに愛されるまでの葛藤・苦悩に、かなりフォーカスしている物語だなと思いました。親と離れて育ってきた主人公が、誰にも経済的負担をかけず医者になるため、学費のかからない防衛医大へ進学したはいいものの、「患者や困窮者の助けになる視点」がないことを、ときには暗にときには面と向かって周りに批判されながら、前に進んでいく2巻あたりからの展開が特に好き。僕自分も、人の気持ちや事情を軽視したため上手く行かない事が生きていて多く、主人公・真木に自分を重ねるところが多かったのですが、そんな真木が本人なりの解決策と努力目標も定めて行動したところに気持ちを動かされました。と言っても、決して暗い話ではなく、きちんと息抜きやカタルシスのある話も配置されているので、学びながらも楽しく読める作品です。業界モノ・専門家モノも漫画は大好きでよく読みますが、読んだ範囲では医師モノよりは自衛隊モノの要素が強かった感じ。これからの展開も楽しみです。

2020年 03月 14日

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