うだるような暑さの夏が終わり、朝夕が涼しく感じるようになってきました。そんな徐々に秋の訪れを感じる今読みたい、秋の代名詞にちなんだマンガたち。
今回は【秋の代名詞とマンガ】シリーズとして、「◯◯の秋」にぴったりなマンガをお届けします。第一弾は「芸術の秋」です!
そもそも「芸術の秋」という言葉の由来をご存知でしょうか?
諸説ありますが、1918年に発行された雑誌「新潮」の中で「美術の秋」という記載があったことが発祥と言われています。また、二科展、日展、院展など日本を代表する展覧会が秋に集中していることも由来しているそうです。
いずれにせよ、夏の暑さもやわらぎ、爽やかな風が心地よい秋は、しっとりと芸術を愉しむのに適しているのは確か...!
今回は、そんな秋に読みたい「芸術」にまつわるマンガを一挙紹介します。
目次
- 一人の少女が画家になる夢に向かって走り出す『アルテ』
- レプリカ専門の画廊で繰り広げられるアートバトル『ギャラリーフェイク』
- 炎の画家ゴッホと弟テオドルスの絆と宿命『さよならソルシエ』
- コマからアートを感じる!ちょっぴり不思議な青春群像劇『幻覚ピカソ』
- 知られざるアツき美大受験の裏側を描く『ブルーピリオド』
- マンガ家・東村アキコ先生のまんが道『かくかくしかじか』
- 藝大生たちのキャンパスライフに迫る『最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常』
- 美大が舞台の青春ラブストーリー『ハチミツとクローバー』
- クラシックの世界を描いた音楽コメディ『のだめカンタービレ』
- 日本が誇る芸術、落語の歴史を学ぶ『昭和元禄落語心中』
- マンガと言う名の芸術に触れて
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一人の少女が画家になる夢に向かって走り出す『アルテ』
物語の舞台は16世紀初頭のフィレンツェ。
芸術など文化活動で活気あふれる華やかな時代に、貴族家生まれの少女・アルテが画家工房への弟子入りを志願します。
女性が自分の夢を貫き、ひとりで生きていくことに理解がなかった時代...。
これは、一人の少女が様々な困難を乗り越えながら画家になる夢を叶える物語です。
格差社会にも負けず自分の信念を貫くアルテに胸を打たれるのはもちろん、16世紀当初ルネサンス期のイタリアを忠実に描いているため、イタリアの芸術の歴史や文化も学べる作品です。
レプリカ専門の画廊で繰り広げられるアートバトル『ギャラリーフェイク』
レプリカ専門の画廊「ギャラリ-フェイク」を舞台に、オーナーの藤田玲司が”真の芸術”を追い求める物語です。
インチキ画商や守銭奴などと言われている藤田だが、”アートへの奉仕者”と自負し美の追求のためなら贋作作りや窃盗団への協力もする型破りなキャラクターが魅力的です。
また、実在する絵画や美術品が登場するので、世界の名だたる名作たちについて学べる一作です!
炎の画家ゴッホと弟テオドルスの絆と宿命『さよならソルシエ』
壮絶な人生を歩み謎の死を遂げた炎の画家、ゴッホ。
ゴッホが天才画家として活躍するまでには、弟であり天才画商・テオドルスの策略と野望がありました。
生前全く絵が売れなかったゴッホを世界的に有名にしたテオドルス...。
そんな2人の兄弟の絆と宿命を描いた芸術ロマン超大作です。
コマからアートを感じる!ちょっぴり不思議な青春群像劇『幻覚ピカソ』
絵を描くことが大好きな男子高校生葉村ヒカリは、ある日友達の山本千晶とともに事故に遭ってしまいます。
ヒカリは奇跡的に一命を取り留めるものの千晶は命を落としてしまいます。その後、亡くなったはずの千晶ががヒカリの目の前に現れ、本当はヒカリも死ぬはずだったが、千晶の強い願いによって条件付きで生き残ったことを知ります。
その条件とは、悩みを抱える人の「心の闇」を絵に起こし、その世界に入り込み悩みを解決すると言うもの。
作中で描かれる心の闇は芸術そのもの!ちょっぴり不思議な青春群像劇です。
知られざるアツき美大受験の裏側を描く『ブルーピリオド』
成績優秀でスクールカースト上位の充実した高校生活を送る矢口八虎。
どこか物足りなさを感じながら過ごしていた彼は、ある日、美術室で出会った一枚の絵に心奪われます。その衝撃をきっかけに、美しくも厳しい美術の世界へと足を踏み入れ美大受験を志します。
知られざる美大受験の裏側を描いたスポ根受験物語。
素人目には難しい絵画の愉しみ方が詳しく解説されているところも必見です。
マンガ家・東村アキコ先生のまんが道『かくかくしかじか』
『ブルーピリオド』でアツき美大受験の裏側を知ったあなたは、ぜひこちらのちょっぴり破天荒な美大受験も覗いてみませんか?
マンガ家・東村アキコ先生の生い立ちから、美大入学、マンガ家になるまでを描いた自伝エッセイ。
彼女を語る上で欠かせない、絵画教室の恩師・日高先生との青春の日々、そして受験、大学生活、仕事、マンガ家になるまでをドラマチックに描きます。
彼女にとって「描くこと」の真髄が詰まった一冊です。
藝大生たちのキャンパスライフに迫る『最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常』
東大受験よりも難関と言われる藝大。
そんな難関を突破した天才たちの知られざるキャンパスライフを、現役藝大生を妻に持つ小説家・二宮敦人が実際に藝大に足を運び解き明かします!
彫刻科に始まり、日本画科、そして音楽学部にまで潜入。芸術を極める者たちのルーツや、ドラマなど、まさに「秘境」な一面が知れる一作です。
美大が舞台の青春ラブストーリー『ハチミツとクローバー』
美大を舞台に、学生たちの切なくも美しい片思いを描いた青春ラブストーリーです。
恋愛マンガとして圧倒的な人気を誇る本作。
ですが、限りある学生生活の中で自分の進むべき道に悩みもがく姿、そして「芸術」を前に才能を持つ者と持たざる者についても色濃く描かれているヒューマンドラマとしての一面も。
クラシックの世界を描いた音楽コメディ『のだめカンタービレ』
芸術は美術だけではありません。
音大を舞台に繰り広げる音楽コメディ『のだめカンタービレ』でクラシックの世界に浸りませんか?
音楽のサラブレッドであり、自身も才能に恵まれ指揮者を目指す千秋真一(通称・千秋さま)。対して、天才的なピアノの演奏力と音色を持ちながらもプロに全く興味がない変わり者、野田恵(通称・のだめ)。
同じアパートの隣同士に住んでいる2人がひょんなことから出会い、お互いに影響を与えながら指揮者、演奏者として成長していく物語です。
日本が誇る芸術、落語の歴史を学ぶ『昭和元禄落語心中』
日本が誇る芸術「落語」。
江戸時代から続く大衆のエンターテイメントで、聞く人に笑いと涙を与える娯楽であり芸術。
そんな落語の魅力を昭和後期、バブル前後、そして落語衰退期までの歴史を交えながら描きます。
落語を通して描かれる、愛情や嫉妬などの人間模様も必見の一冊です。
マンガと言う名の芸術に触れて
世界一の美術館として名高いフランスのルーヴル美術館から、絵画や彫刻、映画と並ぶ「9番目の芸術」として認められているマンガ。
ストーリーの面白さや魅力的なキャラクターはもちろん、高度な作画技術や表現技法を駆使した唯一の芸術として評価されているようです。
今回は「芸術」にまつわるマンガをご紹介しましたが、そのマンガに触れている時間がすでに芸術観賞の時間なのかもしれません。
秋の夜長のお供となる一冊が見つかりますように。
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