3月といえば別れの季節。社会人なら異動、転勤、転職など、今ままで慣れ親しんできた場所や仲間との別れが多い時期ですよね。
今回は、そんな別れを経験するあなたに今後の活躍や発展を祈って贈る言葉...ならぬ「贈るマンガ」をお届けします。
逆境に立たされた時や仲間と衝突した時に「心の支えになる」マンガ、ビジネス書さながらの「学べる」マンガまで...。別れを経て新しい一歩を踏み出す社会人のあなたに読んでほしいマンガを厳選しました。
『ここは今から倫理です。』
クールな倫理教師・高柳が教え子たちの抱える問題や悩みと向き合う物語。教え子たちは高柳の言動に救われるのですがその言動の裏付けにあるのが「倫理」。自分の身に起きた理不尽な出来事や不幸を高柳が説く倫理で乗り越えてきます。
例えば、男子学生・山野は自分の平凡さに思い悩みながら道を歩いていたところ交通事故に遭ってしまいます。見舞いにやってきた高柳にその悩みを打ち明けると、彼は山野にイギリスの哲学者であるJ.S.ミルの言葉を引用しながらこんな話をします。
倫理は、学ばなくても将来困ることはほぼない学問...。ですが、倫理は自分が孤独な時や逆境に立たされた時に心の支えとして役立つ唯一の学問です。
社会人のみなさまは何かと思い悩むことが多いことでしょう。そんな時は『ここは今から倫理です。』で高柳が繰り広げる倫理の授業を受けてみませんか?
『インベスターZ』
秘密の部活動「投資部」の運用益によって運営されている超進学校・道塾学園を舞台に、主人公・財前孝史と投資部員たちが繰り広げるマネーゲームマンガ。
物語のメインは投資ですが、お金や仕事の本質、そして日本経済の成り立ちと成長を描いておりビジネス書としても活用できる作品です。
例え投資に興味がくとも、仕事や会社、保険の選び方など、社会人なら必ず関係がある話題について深く切り込んでいます。また、本人役として堀江貴文氏やユーグレナ社長CEO・出雲充氏といった世界を牽引する起業家も登場します。
今までの社会の常識を覆す『インベスターZ』。新社会人はもちろん、中堅、ベテラン社会人の全員に読んでほしい作品です。
『これだからゲーム作りはやめられない!』
年々拡大していくスマホのゲームアプリ市場の裏側であるスマホゲーム会社の制作現場を描いた作品です。
主人公・飯島めぐみは、2Dデザイナーで合理的に仕事を進めるタイプ。一方で同僚の3Dデザイナーの南拓也は、より良いゲームができるのならば迷いなく残業をするワーカーホリックタイプ...。そんな仕事に対する価値観の違うふたりが、時に衝突しながらもスマホゲームの制作に情熱を燃やす物語です。スマホゲーム制作の流れや専門用語も登場するので、同じ業界で働く方にとっては「あるある!」と思わず共感してしまうのではないでしょうか。
人の性格がそれぞれ違うように、仕事に対しての価値観も様々ですよね。価値観の違う人との働き方や考え方を、主人公・飯島めぐみの職場を通じて垣間見ることができます。
『左ききのエレン』
広告代理店を舞台にしたクリエイター群像劇。原作者のかっぴー先生が広告代理店で勤務していた時の体験を元にしたマンガのため、広告業界なリアルな描写が特徴的な作品です。
主人公である広告代理店に勤務するデザイナー・朝倉光一と、高校時代に出会った圧倒的な絵の才能を持つ山岸エレンそれぞれの過去と現在を描きながら物語が進むのですが、本作の一番の魅力は"登場人物全員主人公"と思わせるほどの巧みな構成です。
朝倉光一の高校編、大学編、社会人編と時系列が進むごとにスポットが当たるキャラクターも変わります。その中には、思わず自分と重ねてしまうキャラクターがいるはずです。
そして、そのキャラクターに対して投げかけられているセリフは、仕事などで失敗して落ち込んだあなたの背中を押してくれることでしょう。
社会人とはうまくいかないことの方が多いのではないでしょうか。けれど、そんな日々を乗り越えて前に進む力強さと勇気を与えてくれる作品です。
『Artiste』
パリのレストランを舞台に気弱な主人公・ジルベールとその仲間達が様々なトラブルに見舞われながらも、料理という芸術を創り上げていく物語。
個性豊かな料理人たちに苦戦するジルベール。料理人たちの基本的な性格は変わらないけれど、お互いを理解することでチームの歯車がうまく廻り始めます。
社会に出ると合わない人って沢山いますよね。ですが、相手の性格を変えることはそう簡単ではありません。『Artiste』は、どんなに合わない人でもこういう心持ちでいれば上手く行くのかもしれない...と私たちに気付かせてくれます。
新天地で挑戦するあなたへ
どんなに経験を積んでもまだまだ自分には足りないものが多いと思い知らされる...。それが社会人。自分の未熟さに悔しい思いをすることもありますが、小さな成功体験を積み重ねて前に進んでいきましょう!
今回ご紹介した「贈るマンガ」たちが、挑戦し続けるあなたの心の支えになりますように。
明日公開の番外編では、別れの季節を連想する印象的な言葉「さよなら」がタイトルに含まれた作品をご紹介します。