東京 (28)
僕はこれほどJAZZを尊敬し、愛しているマンガは無いと思う。同時に、読めば読むほどに自分の知識や想像の幅の狭さを知る、無知の知を知ることができる。 マンガBLUE GIANTの装丁・表紙のジャケ、単行本が自伝風な構成になっているのはJAZZの歴代の名プレイヤーの方々の自伝本をオマージュしている気がする。 各話のタイトルがJAZZのスタンダードナンバーで構成され、その話で伝えたいことに合わせたナンバーが選ばれている気がする。 主人公はJAZZの音を聴いて、感情を感じ取ったと描かれている。その上で、自分の感情を乗せて、サックスを演奏したいと言う。 正直、よくわからない。そこまで高度な聴き方をしたことがない。主人公である宮本大が吹くサックスの音のつぶの多さ、音量…。絵で迫力は伝わるのだけれど、音そのものは想像できない。 感動はするけど、感情を感じ取るほどに集中して聴いていけたかというと、全くそんなことはなかった。 著者である石塚真一先生はマンガから音が聴こえましたというお便りに涙しているみたいなのですが、僕は何にも聴こえてきません。すみません。 でも、JAZZは多少なり聴きます。宮本大のサックスは人を圧倒するみたいです。僕はまだJAZZを聴いて圧倒されたことはありません。その代わり、このマンガを読んでJAZZ素敵だなと。JAZZカッコイイなと。JAZZもっと聴きたいなと、思うようになりました。 もう6周は読みました。いつか、願うならばこのマンガが終わるまでにJAZZを知り、BLUE GIANTなる人々の音を想像できるようになりたいなと。そう思っています。
2020年 06月 17日