マガジンで人気を博したルポマンガがアフタヌーンに登場!
ギャグの名作『ポチのへなちょこ大作戦(へなちょこ大作戦Z)』でファンも多い西本英雄先生がかつて週刊少年マガジンにて連載していた人気のルポマンガ『もう、しませんから。』が、マンガ雑誌アフタヌーン創刊300周年を記念し『もう、しませんから。~アフタヌーン激流編~』として再び企画されました。(実際は30周年でした!)
マガジン時代の同作品を読み、ルポマンガの楽しさに触れた筆者にとって嬉しい企画です!
取材内容がなんといっても豪華!
西本先生が取材されたマンガ家は
・『ああっ女神さまっ』藤島康介先生
・『BLACK-BOX』高橋ツトム先生
・『波よ聞いてくれ』沙村広明先生
・『謎の彼女X』植芝理一先生
・『ヴィンランド・サガ』幸村誠先生
・『宝石の国』市川春子先生
・『来世は他人がいい』小西明日翔先生
・『ブルーピリオド』山口つばさ先生
とアフタヌーンを代表する作家陣!
また、『アフタヌーン』の主催するマンガ新人賞「四季賞」の選考会の様子や四季賞の受賞経験がある新人作家達の座談会もあり、マンガ家志望の方々の参考になるエピソードが盛りだくさんです。
そして劇場版『無限の住人』に出演された福士蒼汰さん、『亜人』に出演された佐藤健さんという豪華イケメン俳優にまで直撃ルポをしているんです!
まさに一石二鳥ならぬ一石三鳥な一冊!
ルポマンガの魅力
ルポマンガの面白さは、文面だけのインタビューとは異なり現場の空気がマンガという表現で、より読者に伝わりやすいところだと思います。
例えば、『あぁっ女神さまっ』の藤島康介先生が高校時代に描かれたマンガについて話す場面。
を描いたことがある人には「自分を主人公にしたマンガを描く」というのは割と「あるある」な体験であり、内容によってはとても恥ずかしい黒歴史だったりするんですよ…藤島先生にもそういう経験があるんだな、と親近感が湧きます。
また、西本先生をはじめとした取材陣に対し、逆にグイグイと積極的に攻めていく『BLACK-BOX』の高橋ツトム先生のロックな漢らしさが伝わる場面。
そして女性の魅力的な色気を表現する沙村先生の「フェチズム」がわかる場面など。
この様に先生達の素の空気が伝わるのも、ルポマンガならではの魅力です。
そしてこの作品は先生ご自身の話題と同時に、今まで描かれたマンガについてどの様な考えや思いで取り組んできたかを詳しく掘り下げた取材をされています。
「宝石」がモチーフのキャラを描いた『宝石の国』で、市川先生が宝石を題材にしたり、主人公を「フォスフォフィライト」という宝石にした理由や…
他にも東京藝大を受験する高校生・八虎が主人公の『ブルーピリオド』の山口つばさ先生のキャラ作りについても知ることが出来ます。
劇場版の出演俳優の貴重なインタビュー
マンガ原作が映画化されるとテレビや雑誌でのインタビューをよく目にする機会が多いですが、意外とマンガ形式のインタビューを目にすることは少ない気がします。
『亜人』に出演された佐藤健さんは、
「ボクも子供の頃からマンガを読んできて実写化に敏感になるのは読者の皆さんと一緒なので、他の人に演じられて変な物にされるくらいなら、ボクが演じて面白い映画にしたい!」
と熱意を露にしており役者としての奥深さと格好良さを感じさせてくれる貴重なルポも掲載されています。
マンガ家、編集部、俳優の皆さんの様々な視点から改めてマンガの魅力がわかる『もう、しませんから。~アフタヌーン激流編~』。
是非新しい視点でマンガを読み返してみて下さいね!