このコマ、インターネットで見たことがありませんか？
Twitterに全力で取り組む人たちによって、リプライなどでよく使われているようです。
これは「月刊！スピリッツ」で大童澄瞳先生が連載中の『映像研には手を出すな！』3巻に収録されている第21話「雪山のちび森」に登場するコマです。
『映像研には手を出すな！』のあらすじは？
「まさに公立ダンジョン」な芝浜高校で映像研究同好会に所属する浅草みどり、金森さやか、水崎ツバメの女子高生3人組がアニメをつくる物語です。
世界観の設定を考えるのが好きな浅草、お金を稼ぐのが好きな金森、人物画が得意でアニメーター志望の水崎は、「最強の世界」をアニメで表現するために奔走します。
あらすじやキャラクターの詳細情報は以下のページにまとめられているので、ぜひご覧ください。
2020年1月には湯浅政明さんが設立されたアニメスタジオ「サイエンスSARU」が手掛けたアニメが放送され、大きく話題になりました。
「ツイッターは‼︎遊びじゃねえんだよ‼︎」のコマが登場するのはどんなシーン？
第21話「雪山のちび森」では、映像研の3人が自主制作物展示即売会「COMET-A（コメットA）」へ出展するための制作を進めるなか、金森がお金儲けに興味を持つきっかけになった幼少期のエピソードが明かされます。
冒頭、多忙な時期にもかかわらずツイッターをする金森をたしなめる浅草。
しかし、「ツイッターは‼︎遊びじゃねえんだよ‼︎」と強い口調で反論されます。金森はコメットAでの展示に向けて、SNSを利用した宣伝活動を行っていたのでした。
「現場で宣伝するより、事前に告知したほうがいい」と語る金森。彼女が自分たちを知ってもらおうと努める背景には、過去に親戚が経営していた酒屋が潰れてしまった体験がありました。
お小遣い稼ぎのために酒屋を手伝うなかで、ただ言われた作業をこなすだけでなく、どうすれば商品が売れるかを考えながら仕事をこなす「ちび森」こと幼少期の金森。幼いながら、経営の手腕を覗かせます。
だんだんと商売に楽しさを見出していくちび森ですが、酒屋が閉店を予定していると知って衝撃を受けます。人目につきにくい立地ゆえ、経営が立ち行かなくなったのです。
金森は「誰も知らない店に客は来ない」と身をもって学んでいたからこそ、自分たちがつくったアニメを多くの人に知ってもらう活動を重視していたのです。
アニメづくりをテーマにした『映像研には手を出すな！』ですが、金森の存在によって、制作だけでなく作品を知ってもらう過程が丁寧に描かれている点がとても面白いです。
2020年5月現在、既刊は5巻と冊数も多くありません。未読の方はぜひ読んでみてください！
