当たり前ですが、マンガには主人公以外にもたくさんの人物が登場します。そして名作と呼ばれるような作品では、主人公以外のキャラも魅力的なことが多いですよね。
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そんな様々な登場人物の中でも、主人公たちの成長を促し、彼らが挫折しそうになった時や道に迷ったときにその背中を押してやる、そんな存在が師匠キャラ。たとえ登場シーンが少なくても、経験や実力に裏打ちされた彼らの言動には力と重みがあり、物語の重要な場面となることも少なくありません。
この記事ではアルでコマ投稿可能な作品の中から、そんな師匠・指導者たちを印象的なコマとともにご紹介します。
目次
- 師匠 『 キノの旅 』
- 達海猛『 GIANT KILLING 』
- 佐伯先生&大葉先生『 ブルーピリオド 』
- 沙問『 シャーマンキング 』
- ミギー『 寄生獣 』
- 千石要『 ボールルームへようこそ 』
- 内田豊 『 はじめアルゴリズム 』
- フローラ『 ベルセルク 』
- ガナン・キアシト『 圕(としょかん)の大魔術師 』
- マンガが師匠だっていい
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師匠 『キノの旅』
師匠といえばこの人は外せません。作中でもずばり師匠と呼ばれ(呼ばせ)、原作小説でも長らくその本名や生い立ちは明かされていませんでした。
故郷から逃げ出した主人公キノを保護し、戦う術を与え、旅立ちへの準備を手助けする彼女。キノと出会ったのは隠居後であり優しい雰囲気を持っていますが、若い頃は各地で色々と派手にやっていた様子。マンガ版ではまだ出番が少ないのですが、小説では若い頃のエピソードも多く描かれ、作中屈指の人気キャラとなっています。
達海猛『GIANT KILLING』
本作の主人公であり、もう1人の主人公とも言える椿大介をはじめ、弱小クラブだったETUと選手たちを導いていく若きサッカー監督。
普段はいい加減な立ち振る舞いで典型的な”ダメなオトナ”という感じですが、才能がありながらもビビリな性格で埋もれていた椿を代表選手まで引き上げ、負け癖がついていたチームのメンタリティーを根本から入れ替えてタイトル争いするなど、GIANT KILLINGをその身で体現する根っからの勝負師です。
佐伯先生&大葉先生『ブルーピリオド』
成績もよく友だちもいて、ちょっと悪いことにも手を染めて。人生うまくやってるけどどこか空虚な気持ちを抱える高校生、矢口八虎。そんな彼が一枚の絵と出会ったことで芸術の世界へ飛び込み、美大受験へと挑戦する文化系スポ根マンガ『ブルーピリオド』
芸術、そして大学受験。シビアな世界へ挑む彼を導いてくれのが、高校の美術部顧問、佐伯先生と予備校講師、大葉先生です。
容赦なく他人と比較され評価され、才能の違いを叩きつけられる。常にギリギリでヒリヒリする環境に身を置く八虎たちにとって、客観的に、でも確かに愛を持って語られる先生たちの言葉は、いつも新たな気づきと成長のきっかけを与えてくれます。
沙問『シャーマンキング』
道潤(タオ・ジュン)の持ち霊であり「導弾道(ダオダンドウ)」の使い手、そして映画スターでもあった李白竜(リー・パイロン)。その生前の師匠が沙問(シャモン)です。
暴走した白竜に対抗するため死後の世界から呼び出された沙門ですが、老齢で亡くなったため主人公麻倉葉に憑依した時はヨボヨボ。しかしその道を極めた偉大なカンフーマスターらしく、怒りに染まり怒濤の攻撃を仕掛ける白竜を柔の力で簡単にいなし、彼の心の迷いを取り払います。
その後の道潤と白竜の生き方さえ変えてしまうカッコいい登場だったのですが、それだけに再登場した時のかませっぷりが悲しい。。
ミギー『寄生獣』
主人公シンイチの脳に侵入して身体ごと支配しようとするものの、中途半端に失敗したため右腕に寄生することになった謎の生命体、ミギー。そこから1人と1匹(?)の奇妙な共生、共闘関係が始まります。
正確には師匠キャラではありませんが、高い知能を持ち好奇心旺盛で勉強熱心、冷静で合理的な性格、そして人間とは異なる倫理観を持つ彼が放つ言葉は、人間社会で”常識“として片付けられている価値観に疑問を投げかけ、常にシンイチや読者に問いを与え続ける存在でした。
仙石要『ボールルームへようこそ』
競技ダンスに打ち込む少年少女たちの熱き情熱と成長を描いている本作。弱気な主人公、富士田多々良が競技ダンスの世界に足を踏み入れるきっかけとなるのが、仙石要との出会いです。
基本ふざけた性格な上に海外を飛び回る現役バリバリのプロなため、手取り足取り指導してくれるようなタイプではありませんが、締める時は締め、魅せる時は己の背中で魅せる、そんな姿がカッコイイ。
その長身と不遜な態度、トッププロとしてのオーラも合わさって非常に貫禄がありますが、実は23歳で意外と若かったりします。
内田豊 『はじめアルゴリズム』
以前はバラエティ番組などでも活躍した著名な数学者だったものの、老齢とともにその輝きを失っていた内田。主人公関口ハジメの天才的な数学の才能を発見したことで、彼の指導者となることを決意します。
天真爛漫なハジメに常に振り回され、時にその眩い才能に嫉妬し、怒りっぽく、いまだ不器用に生きるその姿は師匠的カッコよさとは程遠いものです。それでも何度も挫折を味わいながら未だに数学への想いを断ち切れず、諦めず、泥臭く向き合う姿は、一つの道に生きる学者としての矜持を感じさせてくれます。
フローラ『ベルセルク』
ガッツ一行の飛び道具にして裏ヒロインとも言われる魔女っ子シールケ。彼女の師匠が、精霊の森に住むフローラです。
長い年月を生きた彼女の言動は落ち着き払い、死期を悟りながら当然のようにそれを受け入れている様子は超然としています。シールケだけでなく主人公ガッツの歩んできた道をも理解し、一行に知識と力を与えます。また、愛弟子とガッツにかつての自身と「髑髏の騎士」の姿を重ね、その巣立ちと行く末を祈っていました。
ガナン・キアシト『圕(としょかん)の大魔術師』
主人公シオの暮らす小さな村アナンにある大工工房の親方。
貧民街出身で容姿が他と異なることから村で疎外されていたシオを自身の工房で育て、世界中の書が集まるという「アフツァック中央圕」で司書(カフナ)になるという彼の夢を後押しします。
普段は昼間から酔っ払っているような飲んだくれ親父ですが、困難な夢へ挑戦することを肯定し応援する彼の言葉は、シオだけでなく挑戦する全ての人に勇気を与えてくれます。
マンガが師匠だっていい
未知の挑戦をする時、立ちはだかる壁が大きい時、環境、スランプ、周囲からの否定的な意見、、、何かをやろうとすれば、困難な状況に陥ることは多々あると思います。そんな時には頼れる誰かに背中を押してほしいもの。でも現実世界では、常にそんな存在が周りにいてくれるとは限りません。
そんな時、大好きなマンガを読み返し、師匠たちの言葉に力をもらい、主人公たちと共に前を向く。現実の代わりにマンガに助けてもらう。そんな立ち上がり方もありだと思います。
多くのマンガはフィクションですが、フィクションだからこそ無限に物語があり、自分の趣味や理想に近い世界、共感する生き方をたくさん見つけられます。なのでみなさんも、マンガで出会ったカッコいい師匠・指導者たち、勇気づけられた言葉やシーンがあれば、ぜひアルのコマ投稿でシェアしてみてください。もしかしたら、それが見知らぬマンガファンの勇気に変わるかもしれません。