『はたらく細胞』『宇宙兄弟』などが人気。高校図書館におけるマンガ利用調査が公表

公益財団法人である日本財団は、岐阜県の高校図書館司書を対象とした「マンガの図書館利用に関するアンケート」調査報告を公開しました。

図書館利用におけるマンガが果たす役割は大きいという結果が得られた一方で、様々な課題も浮き彫りになっています。


マンガが図書館利用の増加に寄与

Q.マンガがあることで、図書館の利用が増えていると思いますか?

今回の調査では、岐阜県の高校や特別支援学校の64名の司書の方を対象に、アンケートを行い、約8割の方が「マンガによって図書館の利用が増えていると実感した」と回答しました。

調査対象の高校では、全ての学校にマンガが置かれており、一般のマンガ雑誌で連載している作品や、歴史や偉人の伝記をマンガで紹介した「学習マンガ」がこれに含まれています。

『はたらく細胞』『ちはやふる』などが人気

Q.どんなマンガを置いていますか?

「学習マンガ」に加え、『ダーリンは外国人』で知られる小栗左多里先生の作品や、『聲の形』など特定の作品を回答される方もおり、岐阜県の高校図書館では幅広いマンガが取り扱われていることがわかります。


Q.特に人気の高いタイトルを教えてください。

第1位

はたらく細胞』(スピンオフも含む)清水茜

23票

第2位

ちはやふる』末次由紀

16票

第3位

宇宙兄弟』小山宙哉

14票

第3位

ハイキュー!!』古舘春一

14票

第5位

聲の形』大今良時

7票

第5位

SLAM DUNK』井上雄彦

7票

第7位

3月のライオン』羽海野チカ

6票

第7位

キングダム』原泰久

6票

第7位

文豪ストレイドックス』春河35/朝霧カフカ

6票

第10位

コウノドリ』鈴ノ木ユウ

5票

第10位

ONE PIECE』尾田栄一郎

5票

第12位

銀の匙』荒川弘

4票

第13位

まんがで読破」シリーズ

2票

第13位

Dr.STONE』Boichi/稲垣理一郎

2票

第13位

あさきゆめみし』大和和紀

2票

2018年にTVアニメ化され話題になった、人体で活躍する細胞たちを擬人化した『はたらく細胞』が、スピンオフも含めて支持されているという結果になりました。

マンガの選定基準は、「利用者からのリクエスト」が最も多く、「一般的な人気」「進路や学習、生活等で生徒の学びに役立ちそうなもの」といった観点からも鑑みて選定されています。

高校図書館にマンガを置くことのメリット・デメリット

メリット

  • シリーズとしてマンガを置くと、続きが気になって継続して来館してくれる。

  • マンガを借りにきた生徒が、ついでに小説などの一般書も手にとってくれる。

  • 『文豪ストレイドッグス』をきっかけに太宰治や芥川龍之介の作品を読んだ生徒がいるといったように、原作本や関連本に興味が広がる。

  • 本が苦手という生徒にも、図書館という場のハードルが下がる。

といったように、司書さんたちは様々な利点を実感しており、他にも「長い目で見て教養として有用」「友達や司書とのコミュニケーションのきっかけになる」などの回答も得られています。


デメリット

  • 一般書に比べて巻数が多くなりがちなので、置ける種類が限られる。

  • 図書館で勉強する際にマンガに手を出して集中力が削がれてしまったり、授業中にマンガを読んでしまう。

  • マンガの導入によって今まで来館しなかった生徒が多く足を運ぶようになり、利用マナーやモラルの低下につながっている。

  • 教員の中にはマンガに対して否定的な意見を持つ方もいる。

勉強の役に立つはずのマンガが、勉強を阻害するものになってしまったり、他の生徒の迷惑になっていたりと、様々な課題も浮かび上がってきています。

有識者が選んだ「学習マンガ」

今回の「マンガの図書館利用に関するアンケート」を実施した「これも学習マンガだ!~世界発見プロジェクト~」では、有識者が選ぶそれぞれのジャンルにおける「学習マンガ」を紹介しています。

「文学」「生命と世界」「芸術」「社会」「職業」「歴史」「戦争」「生活」「科学・学習」「スポーツ」「多様性」という11のジャンル別に、合計200作品が紹介されており、専門家によるオススメ作品のインタビューも掲載されています。

学習意欲が高まっている方や、お子さんに何か教材を買いたいと悩んでいる方は、是非チェックしてみてください。

👉これも学習マンガだ!公式HP


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