マンガ大賞2020受賞作『ブルーピリオド』をもう一度振り返る。 “好き”に真っ直ぐな高校生と美大受験を描いた青春群像劇

“友達にすすめたくなるマンガを選ぶ”をコンセプトに書店員を中心とした有志の選考員や実行委員が選ぶその年のオススメのマンガ、それがマンガ大賞。昨年は『彼方のアストラ』、一昨年は『BEASTARS』が受賞しましたが、今年の栄えある大賞に輝いたのは山口つばさ先生の『ブルーピリオド』でした！

ブルーピリオド（６） (アフタヌーンコミックス)

山口つばさ/著

年に一度のマンガの祭典「マンガ大賞」
知られざる”美大受験”を描いたスポ根漫画
心震わす、ブルーピリオドのひとコマ
“好き”にひたすら真っ直ぐな彼らの青春を見逃すな

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年に一度のマンガの祭典「マンガ大賞」

マンガ大賞2020、大賞は、山口つばささんの『ブルーピリオド』に決定しました！他作品の順位やコメント集、受賞記念のイラストも合わせて、公式サイトにて発表しております。https://t.co/4IZxEuyJjM
授賞式には山口先生もご登壇いただきました。ありがとうございました！ pic.twitter.com/cdtjzcsYsj— マンガ大賞 (@mangataisho) March 16, 2020

2008年からスタートしたマンガ大賞は、その年のおすすめのマンガを決める有志のマンガ賞です。「面白いと思ったマンガを、その時、誰かに薦めたい！」そんな気持ちから始まりました。選考員は、書店員をはじめとするさまざまな職業のマンガ好きの有志たちで構成されており一般募集は受け付けていないというちょっぴりミステリアスな一面も。

そんなマンガ大賞は下記の厳正なる審査のもと決定します。

📚一次選考｜各選考員が「人にぜひ薦めたいと思う作品」を5作品選出

📚二次選考｜一次選考の結果から得票数10位までの作品をノミネート

📚三次選考｜選考員はノミネート作品を全て読みトップ3を選出、結果を集計してその年の「マンガ大賞」を決定

ノミネートされたマンガは実写化・アニメ化されることも多いためマンガ好きはもちろんのこと日本中が注目する賞となっています。

👉ノミネート作品を詳しくみる

今年のマンガ大賞は、3位『スキップとローファー』2位『SPY×FAMILY』、そして1位の大賞が『ブルーピリオド』でした。

知られざる”美大受験”を描いたスポ根漫画

ここからは栄えあるマンガ大賞を受賞した『ブルーピリオド』の魅力について迫ります。

成績優秀にしてスクールカースト上位。何不自由なく充実した毎日を送る高校生・八虎。受験という進路を決める時期が近くにつれて、自分には熱くなれるものがない、と焦燥感を感じ始めます。

そんな時、美術室でたまたま出会った先輩の描いた絵に心を奪われる八虎。その時の衝撃が八虎の心に火を付け、東大より倍率の高い東京藝術大学合格を目指すことに。

八虎を美術部に勧誘する女装男子の鮎川（通称ユカちゃん）や、同じく美大を目指す良きライバル達と美大を目指して切磋琢磨をする姿はスポ根そのもの。また、美術の道を志したことがない人にとっては、いまいちピンとこない絵の良し悪しや美大受験についても、採点の基準や合否のライン、そしてメンタルと体力を消耗する驚きの受験内容まで細かく描かれている点が非常に面白いです。