【マンガ大賞2021】二次ノミネート10作品発表 今年の栄冠はどの作品に!?面白いマンガだけが資格を持つ!

昨年大賞を『ブルーピリオド』が獲得したことでも話題となった、栄誉あるマンガ賞の1つでもある「マンガ大賞2021」。これまでにも『銀の匙』『BEASTARS』『ゴールデンカムイ』など様々な人気作品が受賞した本賞の、今年の大賞候補ともなるノミネート作品10作品が発表となりました。

例年通りのスケジュールで行くと、大賞発表は今年の3月頃の予定。それまでに全作品をチェックして、今後も話題となりそうなマンガをいち早く押さえておきましょう!というわけで今回は、大賞候補としてノミネートされた10作品を簡単にではありますがご紹介したいと思います。

『【推しの子】』

原作を『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』の赤坂アカ先生、作画を『クズの本懐』横槍メンゴ先生が担当する、マンガ界異色の大型コンビによる作品。それが『【推しの子】』となっています。

アイドルのファンだった主人公がアイドルの隠し子に生まれ変わるという設定が大勢の度肝を抜いた本作。しかしこの作品の真の魅力は、そんな物語のプロローグからの怒涛すぎる急展開でしょう。1巻の読前と読後では間違いなく作品のイメージが大きく変わり、続きの展開が待ちきれなくなるマンガだと話題になっています。

『チ。―地球の運動について―』

チ。-地球の運動について-』は魚豊先生による、地動説の立証を追い求める学者の軌跡を描いた物語です。前作『ひゃくえむ。』では、文字通り陸上に人生を狂わされた男たちの激情を描いた魚豊先生。まるでこちらの感受性をも灼くような、そんな熱量が今作からもひしひしと迸っています。

遠い昔、まだ空に浮かぶ月や太陽は地球を中心に回っていると信じられていた時代。常識だった天動説に異を唱えることは、神への冒涜ともされていました。そんな時代に生きる中、とある人物から地動説の可能性を提示された1人の少年。当たり前の常識を覆すという、彼の途方もない研究と探求がそこから始まるのです。

『SPY×FAMILY』

「ジャンプ+」で連載初期から話題となっていた、遠藤達哉先生『SPY×FAMILY』も今回のマンガ大賞にはノミネート。2020年に話題になったマンガとして、作品名を挙げる方もきっと大勢いるのではないでしょうか。

SPY×FAMILY

スパイと殺し屋、そしてエスパーの三人が織り成す、互いの素性を明かさないままの仮面家族としての生活。最初はそれぞれのメリットのための家族生活でしたが、そんな3人の間には少しずつ本物の家族としての絆が芽生え始めます。老若男女幅広い世代に愛されるコメディ作品にもかかわらず、思わず先の展開が気になる。そんな魅力的なマンガともなっているようです。

『水は海に向かって流れる』

これまでにも「このマンガがすごい!2020」や「俺マン2019」などのマンガ賞にランクインしている田島列島先生の『水は海に向かって流れる』。連載開始から約2年の月日を経て、2020年10月についに完結。そして今回満を持して「マンガ大賞」のノミネート作品にも選ばれる形となりました。

水は海に向かって流れる

マンガ家の叔父や陰のあるOLさんといった、あまりにも個性豊かな人々が暮らすシェアハウスの住人となった高校生の主人公。彼らが織り成す暖かくもどこか寂しさを感じさせる物語に、大勢の人が惹きこまれた本作。完結作品だからこそ、今この機会にぜひ物語を最初から最後までお楽しみ頂ければと思います。

『メタモルフォーゼの縁側』

鶴谷香央理先生による『メタモルフォーゼの縁側』も、2021年1月に連載完結が話題となった作品です。これまでにも「マンガ大賞2019」「このマンガがすごい!2019」などにノミネートされており、多くのマンガ好きが注目し続けてきた作品ともいえるでしょう。

75歳のおばあちゃんがBL(ボーイズラブ)作品をきっかけとして、1人の女子高生と少しずつ距離を縮めながら友人となる本作。何気ない日々の中に散らばる『小さな特別』をとても丁寧に描いた、心温まる作品ともなっています。実写映画化も発表され、まだまだ今後の動向からも目が離せませんね。

『怪獣8号』

ここ最近、様々な話題作が登場している「ジャンプ+」。そんな「ジャンプ+」を牽引する作品の1つが、松本直也先生の『怪獣8号』です。様々な人気連載がある中で、ぶっちぎちの閲覧数を叩き出している本作。迫力溢れるその作画や物語の世界観も、その人気の追い風となっているのでしょう。

「怪獣」の脅威からこの国を守る組織、「日本防衛隊」。そこに入隊し怪獣討伐で活躍することをかつて夢見ていたのが本作の主人公です。一度は諦めた夢を、やっぱりもう一度追い掛けたい。そんな決意を抱いた矢先、彼は自らが怪獣になってしまう悲劇に見舞われます。怪獣の力を持ちながら怪獣討伐に身を投じる、複雑な立場となった主人公。彼が人間の身体を取り戻せる日は、果たして訪れるのでしょうか。

『九龍ジェネリックロマンス』

眉月ジュン先生による『九龍ジェネリックロマンス』は、東洋の雰囲気を思わせる架空の都市「九龍城砦」を舞台としたSFロマンス作品です。どことなく退廃的でディストピアな空気の漂う独創的な物語の世界観が、多くのマンガ好きの話題をさらっている物語でもありますね。

九龍城砦の街中にある不動産屋さんに務める主人公は、同じ会社に勤める先輩と共に毎日過ごすことで彼への淡い恋心を自覚し始めます。しかし彼には昔婚約者がいた様子。その婚約者はなんと自分と同じ見た目をした、同姓同名の女性だということを知ってしまいます。先輩の婚約者と自分に隠された謎。その秘密を探りながら、彼女の九龍城砦での日々は今日も続いて行くのです。

『葬送のフリーレン』

「週刊少年サンデー」の連載作品からは、原作・山田鐘人先生、 作画・アベツカサ先生のタッグが送る『葬送のフリーレン』がノミネート。ここ数年トレンドとなっている異世界を舞台にした作品ですが、これまでの異世界モノとは一味違うストーリーが話題ともなっています。

主人公は、かつて異世界の魔王を倒した勇者一行の一員であったエルフの魔法使い。しかしその功績も今は昔。同じパーティで共に旅をした勇者と僧侶は自分とは違い普通の人間であった為、圧倒的に長寿である主人公を遺してこの世を去りました。彼らの死に際して、なぜこんなにも悲しくなるのか、と初めて経験する感情に戸惑いを覚える主人公。そんな彼女が同じく魔法使いである少女と、自分の感情の理由を、果ては異種族である「人間」を知るための旅を始める、という物語です。

『女の園の星』

発表作が次々と話題作になり、大勢のマンガ好きがその動向に今熱い視線を向けている和山やま先生。独特の空気感とその描写力の高さの前評判通り、なんと今回の「マンガ大賞2021」では2作品がノミネートされるという快挙に。そんな先生のノミネート作の1つが、こちらの『女の園の星』です。

舞台はとある女子高、その高校で国語の教鞭を取っている男性教師が主人公である本作。女子高にいる男性教師なんてハーレムじゃないか、なんていうイメージは大きな間違いです。自分とは明らかに物の考え方や価値観の違う人種である、女子高の生徒たち。冷静沈着な性格ながらも彼女たちの日常にやや振り回され気味の、主人公の日常を独特のテンポ感とシュールさで描いたマンガとなっています。

『カラオケ行こ!』

同じく和山やま先生の作品から、もう一作は『カラオケ行こ!』がノミネート。こちらも『女の園の星』と同じく、発売前から単行本の重版出来が決まるなど大きな話題を呼んでいる作品です。大人しい性格の合唱部の男子高校生とヤクザ。本来であれば絶対に交わるはずのなかった2人の男性の、歌を通した奇妙な交流の物語を描いた物語となっています。

本作は単行本1巻で完結する作品の為、手軽に読むことができる、というのも嬉しいポイント。気になっていた方はこのノミネートの機会に、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

栄冠は果たしてどの作品の手に!?

今回大賞候補にノミネートされた作品は、どの作品もそれぞれにエッヂの効いたユニークなマンガばかり。はたして大賞に輝くのはどの作品なのか。この機会にぜひノミネート作品を読んで新たな作品との出会いを楽しみながら、ワクワクドキドキで結果発表を待ちましょう!

OGP:関 善之さんデザインのマンガ大賞ロゴを利用させていただいています