先日「次にくるマンガ大賞 2021」の受賞作品が発表されましたね!今年のコミックス部門第1位は『【推しの子】』、Webマンガ部門の第1位は『怪獣8号』でした。おめでとうございます!!
【推しの子】次にくるマンガ大賞 2021大賞受賞ありがとうございました!
これを励みに頑張っていきたいと思います。これからも何卒宜しくお願い致します!— 赤坂アカ (@akasaka_aka) August 24, 2021
この度、怪獣8号が「次にくるマンガ大賞2021」でWebマンガ部門1位を頂きました!
ひとえに投票してくれた読者の皆様のおかげです。本当にありがとうございます!
これを励みにより一層カフカや仲間たちの熱い活躍をお届けできるよう頑張ります!#次にくるマンガ大賞#怪獣8号#KaijuNo8 pic.twitter.com/c1D0YwSRq2— 松本 直也 怪獣8号連載中 (@ringo_inuS) August 24, 2021
ところで、マンガに関する賞って色々ありますよね。ニュースやTwitterで「xx受賞!!」なんて文字が流れてきたりしますが、じゃあどんな賞があったかなと言われると、一般読者で多くを把握してる方は意外と少ないのではないかと思います。
そこで今回は、主なマンガ賞のタイトルと過去10年分の受賞作をまとめてみました。作品名から各作品ページにアクセスできるので、気になるものがあったらぜひチェックしてみてください!
目次
- 主なマンガ賞一覧
- このマンガがすごい!
- 全国書店員が選んだおすすめコミック
- マンガ大賞
- 文化庁メディア芸術祭マンガ部門
- 手塚治虫文化賞
- 日本漫画家協会賞
- みんなが選ぶ TSUTAYA コミック大賞
- 星雲賞 コミック部門
- 次にくるマンガ大賞
- お祭りの準備はできてるか?
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主なマンガ賞一覧
主なタイトルを(ざっくり)発表時期順に並べています。
タイトル | 発表時期 | 創立年 | 主催 |
このマンガがすごい! | 前年12月 | 2005年 | 宝島社 |
全国書店員が選んだおすすめコミック | 1~2月頃 | 2006年 | 日本出版販売 |
マンガ大賞 | 3月 | 2008年 | マンガ大賞実行委員会 |
文化庁メディア芸術祭マンガ部門 | 3月 | 1997年 | 文化庁 |
手塚治虫文化賞 | 4月 | 1997年 | 朝日新聞社 |
日本漫画家協会賞 | 4~5月 | 1975年 | 日本漫画家協会 |
みんなが選ぶ TSUTAYA コミック大賞 | 6~7月頃 | 2017年 | TSUTAYA |
星雲賞コミック部門 | 7~8月 | 1978年 | 日本SF大会 |
次にくるマンガ大賞 | 8月 | 2014年 | niconico、ダ・ヴィンチ |
※ここではマンガ出版社主催のもの、新人賞は除いています。また発表時期は過去の実績を参照していますが、変更の可能性もあります。
(以下敬称略)
このマンガがすごい!
もともと別冊宝島シリーズとして不定期刊行されていた特集が、2005年(2006年版)から「このミステリーがすごい!」などと同様年1回発表されるようになったもの。
さまざまなジャンルのアンケート参加者が「最もお薦めしたい作品」をランク順に回答、それを傾斜配点で集計しています。
対象作品は発表年の前年10月1日から1年間に単行本が発行された作品ですが、巻数などの制限はありません。このため、まさにその時人気がある作品がランクインしやすいのが特徴と言えます。
毎年12月に次年版として発行され、オトコ版とオンナ版でそれぞれのランキングが発表されます。ここではそれぞれの1位のみ記載。
オトコ版
受賞年 | 作品名 | 作者名 | 備考 |
2021年版 | 藤本タツキ | ✅アルでコマ投稿OK! | |
2020年版 | 遠藤達哉 | ✅アルでコマ投稿OK! | |
2019年版 | 石黒正数 | ✅アルでコマ投稿OK! | |
2018年版 | 原作:白井カイウ 作画:出水ぽすか | ||
2017年版 | 協力:福本伸行 原作:萩原天晴 作画:橋本智広 三好智樹 | ||
2016年版 | 九井諒子 | ||
2015年版 | 大今良時 | ✅アルでコマ投稿OK! | |
2014年版 | 松井優征 | ||
2013年版 | 原作:貴家悠 作画:橘賢一 | ✅アルでコマ投稿OK! | |
2012年版 | 原作:宮崎克 作画:吉本浩二 |
オンナ版
受賞年 | 作品名 | 作者名 | 備考 |
2021年版 | 和山やま | ||
2020年版 | 牧野あおい | ||
2019年版 | 鶴谷香央理 | ||
2018年版 | 岩本ナオ | ||
2017年版 | 岩本ナオ | ||
2016年版 | ふじた | ||
2015年版 | 阿部共実 | ||
2014年版 | 穂積 | ||
2013年版 | 原作:河原和音 作画:アルコ | ||
2012年版 | 原作:久住昌之 作画:水沢悦子 |
全国書店員が選んだおすすめコミック
普段から多くの書籍、マンガに触れている書店員さんがおすすめしたい、もっと売れてほしいと思うマンガを広く伝えることがコンセプト。
全国の書店員さんのアンケートにより上位15作品が発表されます。例年アンケートは選考年の前年10月‐11月ごろ、発表は2月1日前後となっています。
対象となるマンガはアンケート時点で5巻以下となっており、また選ぶのも本に精通した書店員さんのみなので、今後必ず来る…!的な作品が並ぶのが特徴です。ここをチェックしておけば後々ドヤれるかもしれません。ここでは過去10年の1位獲得作品をご紹介。
また、2021年は出版社のコミック編集・販売担当者より「悔しいけどおもしろい他社作品」を募った「出版社コミック担当が選んだおすすめコミック」も10位まで選出され、和山やま先生の『女の園の星』が1位に選ばれています。
受賞年 | 作品名 | 作者名 | 備考 |
2021年(第16回) | 原作:顎木あくみ 漫画:高坂りと キャラクター原案:月岡月穂 | ||
2020年(第15回) | 遠藤達哉 | ✅アルでコマ投稿OK! | |
2019年(第14回) | 芥見下々 | ||
2018年(第13回) | 白浜鴎 | ✅アルでコマ投稿OK! | |
2017年(第12回) | 山本崇一朗 | ||
2016年(第11回) | 九井諒子 | ||
2015年(第10回) | ヤマザキコレ | ||
2014年(第9回) | 佐野菜見 | ||
2013年(第8回) | 松井優征 | ||
2012年(第7回) | 江口夏実 | ✅アルでコマ投稿OK! |
マンガ大賞
2008年創設。「友だちに勧めたくなるマンガ」がコンセプト。
選考年の前年に出版され、発行巻数が8巻までの作品が対象。これは、その作品の面白さが十分伝わる巻数でかつその時点でも気軽に読み始められる作品、という意図があるようです。
選考委員にはマンガ家や編集関係者などは含まれておらず、またその運営はすべてボランティアがノーギャラで参加しているという、まさにマンガへの愛でできている賞と言えます。ノミネート公開が1月、大賞発表が3月となっています。
受賞年 | 作品名 | 作者名 | 備考 |
2021年(第14回) | 原作:山田鐘人 作画:アベツカサ | ||
2020年(第13回) | 山口つばさ | ✅アルでコマ投稿OK! | |
2019年(第12回) | 篠原健太 | ||
2018年(第11回) | 板垣巴留 | ||
2017年(第10回) | 柳本光晴 | ||
2016年(第9回) | 野田サトル | ||
2015年(第8回) | 東村アキコ | ||
2014年(第7回) | 森薫 | ||
2013年(第6回) | 吉田秋生 | ||
2012年(第5回) | 荒川弘 |
文化庁メディア芸術祭マンガ部門
文化庁が主催するアートとエンターテイメントの祭典、「文化庁メディア芸術祭」における4部門の1部門として選定される賞。文化庁主催ということで、受賞者には同時に「文部科学大臣賞」が贈呈されます。大賞、優秀賞、新人賞に加え、2020年からは「ソーシャル・インパクト賞」が設定されたのも特徴的。
審査員は主にマンガ家で、「クリエーターがクリエーターを選ぶ」がコンセプト。選考対象は公式サイトなどで広く集められ、商業作品に限らず一般人の自薦も可能です。
受賞年 | 作品名 | 作者名 | 備考 |
2021年(第24回) | 羽海野チカ | ✅アルでコマ投稿OK! | |
2020年(第23回) | 島田虎之介 | ||
2019年(第22回) | Boichi | ||
2018年(第21回) | 池辺葵 | ||
2017年(第20回) | 石塚真一 | ||
2016年 | 20周年記念特別企画展のみ開催 | ||
2015年(第19回) | 東村アキコ | ||
2014年(第18回) | 原作:津原泰水 作画:近藤ようこ | ||
2013年(第17回) | 荒木飛呂彦 | ||
2012年(第16回) | 原作:フランソワ・スクイテン 作画:ブノワ・ペータース |
手塚治虫文化賞
「マンガの神様」手塚治虫先生の名を冠し、「マンガ文化の健全な発展」を目的として1997年に創設されました。
対象は選考年の前年に単行本が発行された作品で、選考委員と一般読者からの推薦をもとに一次審査が行われたのち、上位ノミネート作品による最終選考が行われます。マンガ大賞、新生賞、短編賞、特別賞などの部門があり、例年4月に発表されます。ここでは大賞受賞作を記載。
受賞年 | 作品名 | 作者名 | 備考 |
2021年(第25回) | 山下和美 | ✅アルでコマ投稿OK! | |
2020年(第24回) | 高浜寛 | ✅アルでコマ投稿OK! | |
2019年(第23回) | 有間しのぶ | ||
2018年(第22回) | 野田サトル | ||
2017年(第21回) | くらもちふさこ | ||
2016年(第20回) | 一ノ関圭 | ||
同 | あずまきよひこ | ||
2015年(第19回) | ほしよりこ | ||
2014年(第18回) | 羽海野チカ | ✅アルでコマ投稿OK! | |
2013年(第17回) | 原泰久 | ||
2012年(第16回) | 岩明均 | ✅アルでコマ投稿OK! |
日本漫画家協会賞
1972年創立の歴史ある賞。選考対象が広く、また漫画家、評論家などによる無記名投票で決まるため、他とは違うユニークな作品が受賞することが多いのが特徴です。
大賞、優秀賞、特別賞、文部科学大臣賞など複数の部門があり、また年ごとにそれが柔軟に変わるのも特徴的。ここではコミック部門の大賞のみ記載します。
例年4月~5月ごろに発表があり6月に贈賞式が行われていますが、2020年は新型コロナウイルスの影響で9月発表となり贈賞式は関係者のみで執り行われました。また2021年も再び新型コロナウイルスの影響を受け発表が7月、贈賞式が10月1日(金)予定となっています。
受賞年 | 作品名 | 作者名 | 備考 |
2021年(第50回) | 吾峠呼世晴 | ||
2020年(第49回) | みなもと太郎 | ||
2019年(第48回) | 山田参助 | ||
2018年(第47回) | 諸星大二郎 | ||
2017年(第46回) | つげ義春 | 他一連の作品含む | |
2016年(第45回) | 一ノ関圭 | ||
2015年(第44回) | おざわゆき | ✅アルでコマ投稿OK! | |
同 | おざわゆき | ✅アルでコマ投稿OK! | |
2014年(第43回) | 室山まゆみ | ||
2013年(第42回) | 新田たつお | ||
2012年(第41回) | 尾田栄一郎 |
みんなが選ぶ TSUTAYA コミック大賞
マンガ、アニメ、読書好きなら多くの人がお世話になっているであろう TSUTAYA が主催する、2017年創設の新しい賞。ノミネートや推薦なしのユーザー投票のみで決めることをコンセプトとしており、5巻以内かつ未完作品が投票対象となっています。
第2 、3回は5月中旬~6月初旬が投票期間で、7月中旬に受賞作品が発表されました。また第3回からはTwitterでハッシュタグをつけてツイート、というマンガ賞としてはめずらしい投票方法を取っています。第4回からはマンガの口コミ情報サービス「comicspace」、第5回からはさらに電子書籍配信サービス「ブックライブ」との共同企画となり、その規模を広げています。
第2回まではオールタイムベスト部門、アニメ化希望部門、グルメ部門など複数の部門がありましが、第3回からはネクストブレイク部門のみとなりました。一方で第5回からは特別賞として「TSUTAYAプレミアム賞」、「comicspace賞」、「ブックライブ賞」が加わっています。
ここではネクストブレイク部門の大賞(1位)作品を記載。
受賞年 | 作品名 | 作者名 | 備考 |
2021年(第5回) | 桜井のりお | ||
2020年(第4回) | 遠藤達哉 | ✅アルでコマ投稿OK! | |
2019年(第3回) | 芥見下々 | ||
2018年(第2回) | 山口つばさ | ✅アルでコマ投稿OK! | |
2017年(第1回) | 原作:白井カイウ 作画:出水ぽすか |
星雲賞 コミック部門
日本で最も古い歴史を持つSF賞で、コミック部門は1978年の第9回から創設されました。実行委員会が毎年本気で選んでいるであろう趣向を凝らした副賞も特徴です。
今年の星雲賞副賞を製作させていただきました。
星雲賞の特製マンホールに、木枠にコンクリートを流し込んだ、賞状盾になり。非常に重量のある、持ち帰って頂くにも、飾って頂くにも、厄介な副賞になっております。受賞された皆様、受賞おめでとうございます!#sf58 pic.twitter.com/MZNsKERJHW— 小崎 (@OsamuKosaki) July 27, 2019
選考過程としては、まず「日本SFファングループ連合会議事務局」が各ファングループからの情報をもとに参考候補作を選定し、それを基に「日本SF大会」の参加者が事前投票を行います。大会内で行われる「日本SFファングループ連合会議定期総会」にて集計結果が報告され、得票数1位が受賞作となります。
2017年にはなんと『こち亀』が受賞。たしかに両さん、さらっと宇宙行ったりタイムスリップしたりしてるもんな…。そんな懐の広さも本賞の魅力かもしれません。
2021年の授賞式は8月21、22日に開催される「第60回日本SF大会」内で執り行われる予定です。
受賞年 | 作品名 | 作者名 | 備考 |
2021年(第52回) | 著:吟鳥子 | ||
同 | 江口夏実 | ✅アルでコマ投稿OK! | |
2020年(第51回) | 道満晴明 | ||
同 | 久正人 | ||
2019年(第50回) | つくみず | ||
2018年(第49回) | 石黒正数 | ✅アルでコマ投稿OK! | |
2017年(第48回) | 秋本治春 | ✅アルでコマ投稿OK! | |
2016年(第47回) | 弐瓶勉 | ✅アルでコマ投稿OK! | |
2015年(第46回) | 石川雅之 | ✅アルでコマ投稿OK! | |
2014年(第45回) | 丸川トモヒロ | ||
2013年(第44回) | 原作:ジェイムズ・P・ホーガン 作画:星野之宣 | ||
2012年(第43回) | 安彦良和 |
次にくるマンガ大賞
こちらは読者参加型のマンガ賞で、「次に流行るであろうマンガ」の発掘を目的に2014年に創設されました。
niconico上の公式チャンネルにて自他薦問わずエントリー受付が行われ、それらをダ・ヴィンチ編集部が選考したのち、niconico上でユーザー投票が行われます。
「これから売れて欲しいマンガ」部門(第二回からはコミックス部門)と、「本にして欲しいWebマンガ」部門(第二回からはWebマンガ部門)の二部門があり、そのコンセプト通りマンガ部門は既刊 5 巻以内の作品が対象です。
第一回、二回はWebマンガ部門が12月、コミックス部門が年を明けて2月の発表となっていましたが、以降は両部門とも8月に発表されています。ここでは各部門の1位獲得作を記載。
コミックス部門
受賞年 | 作品名 | 作者名 | 備考 |
2021年(第7回) | 原作:赤坂アカ 作画:横槍メンゴ | ||
2020年(第6回) | 戸塚慶文 | ||
2019年(第5回) | 原作:日向夏 キャラクター原案:しのとうこ 作画:ねこクラゲ 構成:七尾一騎 | ||
2018年(第4回) | 小西明日翔 | ✅アルでコマ投稿OK! | |
2017年(第3回) | 赤坂アカ | ✅アルでコマ投稿OK! | |
2016年(第2回) | 横田卓馬 | ||
2015年(第1回) | 堀越耕平 |
Webマンガ部門
受賞年 | 作品名 | 作者名 | 備考 |
2021年(第7回) | 松本直也 | ||
2020年(第6回) | 桜井のりお | ||
2019年(第5回) | 遠藤達哉 | ✅アルでコマ投稿OK! | |
2018年(第4回) | しろまんた | ||
2017年(第3回) | 久世岳 | ||
2015年(第2回) | 柳田史太 | ||
2014年(第1回) | ふじた |
お祭りの準備はできてるか?
こうして並べてみると各賞でそれぞれコンセプトや対象作品、選考方法が異なり、同じ年でも受賞作品が全然違っていて面白いですね。
マンガは自分が好きなものを読めばいいし、賞とは関係なくたって素敵な作品は無数に存在します。それでも自分の好きな作品がタイトルに選ばれれば嬉しいし、賞やノミネート作品が話題になることで、今まで知らなかった作品と出会うきっかけになるかもしれません。
物理的なイベントもなかなか難しいこの頃、家で過ごす時間を充実させてくれるマンガは今まで以上に大切な存在。ここでざっとおさらいして準備を整えた後は、各賞発表時のお祭りをしっかり盛り上げていきましょう!